
Trip.comは、ドラマや恋愛リアリティショーなどの映像作品の視聴を契機として旅行先への関心が高まる、いわゆる“聖地巡礼”を含む旅行需要の動向を公表した。Trip.comが実施した「MOMENTUM 2025 REPORT」によると、アジア太平洋地域の旅行者の70%が、映画やテレビ番組などで見た場所を参考に旅行先を検討していることが示された。
特に25~34歳の層で関心が高い一方、65歳以上でも48%が視聴コンテンツの影響を受けているとされ、幅広い世代でコンテンツを起点とした旅行需要が広がっている状況が確認されている。具体的な事例として、恋愛リアリティ番組『脱出おひとり島』シーズン5の主要ロケ地となった韓国・仁川市では、海外ユーザーによるホテル検索数が前月比118%増、国内ユーザーによる検索数も前月比18%増となった。また、番組内で“パラダイス”として登場するインスパイア・エンターテインメント・リゾートの検索数も前月比102%増となり、作品内に登場するロケ地や象徴的なスポットへの注目が、宿泊・滞在先の検討につながっている傾向が示されている。
さらに、Netflixドラマ『恋の通訳、できますか?』の公開後には、日本をはじめとする複数のロケ地でも需要増加が確認された。ロケ地の一つである日本の鎌倉・江の島におけるホテル検索および予約が前月比55%増となったほか、カナダ・バンフ国立公園のレイク・ルイーズ周辺では予約数が前年比346%増、カルガリーでもホテル予約が前年比65%以上増加した。加えて、イタリアのチヴィタ・ディ・バニョレージョでは検索数が前月比67%増、アクティビティやツアー予約も前月比55%増となり、作品の舞台や景観への関心が旅行需要の高まりにつながっている状況が確認されている。作品への関心が現地体験の需要にも波及している傾向が示された。
映像コンテンツを起点とした旅行需要は、作品の話題性に加え、ロケ地の景観や地域特有の体験価値、予約のしやすさといった複数の要素によって形成されると考えられる。今回の結果は、Kコンテンツが旅行先の認知向上にとどまらず、旅行検討や予約行動に一定の影響を与えている可能性を示すものである。