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2019年箱根町の観光客数、3年ぶりに2千万人割り込み

箱根町の2019年の入込観光客は、5月の大涌谷の噴火警戒レベルの引き上げや、同町に甚大な被害をもたらした10月の台風第19号による影響を大きく受けたため、2016年以来、3年ぶりに2千万人を切る、厳しいものとなった。

大涌谷噴火警戒、台風19号被害、新型コロナで影響は深刻

出典:箱根町

入込観光客数は18,960千人(前年比89.2%、2,300千人の減)と前年に比べ10%以上減少した。

内訳は、宿泊客が4,297千人(前年比94.9%、229千人の減)、日帰り客が14,663千人(前年比87.6%、2,071千人の減)であり、日帰り客の減少が顕著であった。

施設形態別に見ると、寮・保養所が546千人(前年比100.3%、2千人の増)、その他の施設(民宿・国民宿舎・ユースホステル等、ペンション、キャンプ場・コテージ)は、59千人(前年比108.4% 5千人の増)となり、夏に宿泊のピークを迎える施設形態ではわずかに増加した一方で、例年多くの人が宿泊する10・11月に、台風の影響により苦戦を強いられた旅館・ホテルでは、3,692千人(前年比94.0%、236千人の減)と減少した。

一般客は、3,686千人(前年比94.7%、206千人の減)、外国人観光客は576千人(前年比96.7%、20千人の減)、修学旅行客は35千人(前年比91.5%、3千人の減)であり、全て前年を下回る結果となった。

月別では、5月までは前年を上回り、好調に推移していたが、6月以降は一転して12月までの全ての月で前年を下回っている。これは、5月19日に大涌谷の噴火警戒レベルが2に引き上げられたことや、10月12日に上陸した台風19号の影響が色濃く出たものと推察される。

また、ここ数年順調な伸びを見せていた外国人観光客についても、日韓関係の悪化により韓国人観光客が減少したことに加え、台風豪雨による被害状況が海外メディアで報道されたことやSNS等で拡散されたこともあり、東日本大震災の影響により落ち込んだ2011年以来8年ぶりに減少する結果となった。

メトロエンジンリサーチによると、神奈川県箱根町には宿泊施設が358、部屋数にして7,723室が提供されている。新規開業予定は6施設、部屋数にして408室が新たに供給される見込み。

彫刻の森美術館は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、2020年4月8日(水)より臨時休館していたが、政府などの感染拡大予防ガイドラインを踏まえ十分な措置を講じた上で、6月8日(月)より再開館した。

また、箱根ラリック美術館、ポーラ美術館、箱根ガラスの森美術館などは6月1日(月)より営業再開しており、多くの施設が感染防止策の上で営業を再開している。

他方で、台風19号の影響により、箱根登山電車の箱根湯本駅~強羅駅は依然として長期運休している。

2020年は、新型コロナウイルスの影響により、訪日外国人観光客の移動のみならず、国内も移動の自粛が求められていることから、入込観光客数はもとより、町内経済の見通しについても、かつてないほどの落ち込みとなることが危惧される。

同町では、一刻も早い町内経済の回復を最優先とし、効果的な経済対策の実施に努めていくとともに、誘客についても新しい生活様式を踏まえた新型コロナウイルス対策を万全にし、多くの観光客の皆様が安心して来訪できる観光地を目指していく方針だ。

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