株式会社日本旅行は、2025年3月18日および19日に東京丸の内で開催される「サステナブル・ブランド国際会議2025東京・丸の内」において、高校生を対象とした育成プログラム「SB Student Ambassador全国大会」を共催する。このプログラムは次世代を担う高校生と共に、サステナブルな社会の実現に向けた共創を目指すものである。今年で6回目を迎える同大会には、全国9地域のブロック大会から選抜された9校の高校が招待される。
「サステナブル・ブランド国際会議2025東京・丸の内」は、持続可能性を経営の根幹に据える企業や自治体が集まり、SDGsに関する最新の取り組みや潮流を共有し、ネットワーキングを通じてイノベーションを創出する場である。今年は「Breakthrough in REGENERATION」をテーマに掲げ、国内外から約5,000名が参加する予定である。
2030年までに、ミレニアル世代やZ世代が労働及び購買層の圧倒的多数を占めるようになる中、社会は彼らの優先順位や多様化する価値観に耳を傾け、対応していく必要があると考えられる。また、内閣府SDGs推進本部が発表している「SDGsアクションプラン2021」では、「持続可能な開発のための教育(ESD)を推進し、次世代へのSDGs浸透を図る」を重点事項として挙げており、今後ESD教育(持続可能な開発のための教育)は益々重要になると考えられている。このような現状を背景に「SB Student Ambassador」プログラムは開催されるのである。「SB Student Ambassador全国大会」に招待されることが決定した高校と決定理由は以下のとおりである。
北海道ブロック代表の帯広大谷高等学校は、食品ロス問題に焦点を当て、消費者と生産者をつなぐ仕組みの提案が評価された。特に、地域のスーパーを活用し、効率的で無駄のない消費を促進するアイデアに注目が集まった。東北ブロック代表の青森県立三本木高等学校は、フリーズドライ食品を活用した新しい消費スタイルの提案が高く評価された。食材を無駄なく活用するアプローチを具体化し、減災と健康の両面からの視点を取り入れた点が特徴的である。
東日本ブロック代表の駒場東邦高等学校は、物流問題を解決するための新しい運送システムの提案が評価された。モーダルシフトに着目し、世代間の助け合い文化をテクノロジーと融合させたアイデアが注目された。東海ブロック代表の浜松開誠館高等学校は、「卵のから」と「チンゲンサイ」を活用した循環型社会の構築を目指す提案が評価された。地域農業の特産品を高付加価値化し、住民参加型の仕組みを提案した点が優れている。北陸ブロック代表の福井県立若狭高等学校は、災害時に外国人を含む全住民を守るための地域づくりを提案した。地域文化を尊重しながら、レジリエントな仕組みを構築する視点が評価された。
西日本ブロック代表の清風南海高等学校は、空き家問題を解決するためのアプリ開発アイデアが評価された。多角的な視点から課題を捉え、経済波及効果も考慮した提案が注目された。中国ブロック代表の清心女子高等学校は、制服の端材と竹を活用した避難所環境改善の提案が評価された。持続可能性を重視し、地域社会に還元される仕組みが特徴的である。四国ブロック代表の生光学園高等学校は、耕作放棄地問題に取り組む提案が評価された。農地管理の新しい形を模索し、大都市消費圏に近い特性を活用した点が注目された。九州ブロック代表の八女学院高等学校は、地域の魅力を活かしたプロモーションによる人口減少対策が評価された。地域の課題を洗い出し、働き方や暮らしのあり方を再考する提案が特徴的である。
全国大会への出場校は、これまでの経験や知見を活かし、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアイデアを共有することが期待されている。「サステナブル・ブランド国際会議2025東京・丸の内」は、次世代を担う未来のリーダーである高校生に、最新のサステナビリティへの取り組みに対して知見を深めてもらうと同時に、高校生が持つ価値観や社会に求めるものを共有し、サステナブルな社会の実現へ向けて、共創していく機会となるであろう。