東京・伊豆諸島の神津島が東京都の区市町村で初めてとなる「星空保護区(ダークスカイ・パーク)」として認定された。
米国アリゾナ州に本部を置く、国際ダークスカイ協会(IDA)は令和2年12月1日(日本時間12月2日)、神津島村の全域(18.58km)を「星空保護区」に認定したと発表した。当協会は光の影響のない美しい夜空を守る取り組みを評価する、天文学者などで構成された国際的なNPO団体。星空保護区は「星空の世界遺産」 とも称され、現在、世界各国の約130カ所が認定されている。
夜空の暗さで国内トップクラスを誇る神津島では、今年1月に「神津島村の星空公園条例」と「神津島村の美しい星空を守る光害防止条例」を施行。その後も星空を紹介するガイドの育成、また、島内の道路灯や防犯灯を光害対策基準に準拠するよう改修を進めるなど、地域一丸となって星空保護に取り組んできた。
こうした取り組みにより、当協会が定める屋外照明の基準値などをクリアし、島の全域が「星空保護区」に認定された。神津島村の前田弘村長は「星空ツアーなどで多くのお客様に訪れていただけるよう、受け入れ環境を整備していきます」と話している。
神津島は東京都心から南約180㌔に位置する伊豆諸島の一つの島で、人口約2000人が生活している。東京都心部からは飛行機で約30分、ジェット船で約4時間で行くことができる。
国内の「星空保護区」認定は、2018年に認定された西表石垣国立公園(沖縄県石垣市・竹富町)が最初で、今回の神津島が2例目、アジアでは4例目となる。また、他自治体でも認定を目指す動きがあり、岡山県井原市美星町と福井県大野市が公式に申請している。
西表石垣国立公園では認定後、星空観光を実施する旅行会社が1社から20社程度に拡大するほど観光客が一気に増えた。神津島も星空の美しさで新規客を呼び込みたいとしているが、経営者の高齢化などホテルなど受け入れ体制の整備が今後の課題になっている。
- 「星空保護区」認定制度ウェブサイト http://idatokyo.org/hogoku
- 「国際ダークスカイ協会」ウェブサイト http://www.darksky.org/