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発達特性のある子どもと家族の旅行を支える宿泊環境とは:MIMARUが実証実験で示したホテルの新たな役割

(出典:株式会社コスモスホテルマネジメント

株式会社コスモスホテルマネジメントは、アパートメントホテル「MIMARU」を展開する立場から、発達特性や感覚の違いを持つ子どもとその家族が安心して旅行を楽しめる環境づくりを目的とした調査および実証実験を実施した。本取り組みは株式会社コスモスイニシアおよび株式会社STYZインクルーシブデザインスタジオCULUMU)と共同で行われ、当事者家族へのアンケートやインタビュー、試泊を通じて、旅行時に生じやすい課題や必要とされる配慮の方向性を整理したものである。

(出典:株式会社コスモスホテルマネジメント

調査では、発達特性のある子どもとその家族にとって旅行は特別な意味を持つ体験であることが示された。新しい場所や環境の変化に向き合うことは子どもにとっての挑戦であり、それを乗り越える経験が成功体験として自信につながる可能性があると捉えられている。また、家族にとっても日常とは異なる時間の中で思い出を重ねる大切な機会と認識されており、「大変でもやっぱり旅行したい」という声が多く聞かれた。一方で、旅行や外出においては、子どもの特性に起因する困難に加え、保護者の精神的・身体的負担や周囲の視線への配慮が行動を制限する要因となっていることも明らかになった。

(出典:株式会社コスモスホテルマネジメント

こうした状況を踏まえ、宿泊施設には安心して状態を整えられる「拠点」としての機能の重要性が示された。実証実験では「MIMARU京都 河原町五条」および「MIMARU京都 新町三条」において、旅行前に滞在の流れや空間を写真で伝えるリーフレットを提供し、事前の見通しを持てるようにする取り組みを行った。これにより、家族の安心感や子どもの行動の安定につながったと確認された。

(出典:株式会社コスモスホテルマネジメント

空間面では、外部からの刺激を遮断し休息できる「カームダウンエリア」や、五感を優しく刺激する「スヌーズレン」の考え方を取り入れた共用スペースを設置した。子どもが自ら過ごす場所を選択し状態を整える様子が見られたほか、事前に特性や配慮事項を共有していたことで、スタッフに相談しやすかった、状況を理解してもらえている安心感があったといった声が寄せられた。

これらの配慮は、発達特性のある利用者に限定されるものではなく、多様な宿泊者にとっても快適性向上に資する可能性があると考えられる。MIMARUでは今後、勉強会の実施やサービス改善の検討を進めるとしており、宿泊施設としての環境と情報の整備を通じて、多様な家族が安心して“みんなで旅を楽しめる”環境づくりを目指すとしている。

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