株式会社和多屋別荘は、2025年11月に創業75周年を迎えた節目にあたり、旅館という場所のあり方を再定義する取り組みとして進めてきた「Reborn Wataya Project」を、新たな年の幕開けとともに第二章へ移行すると発表した。同社は2021年より、コロナ禍を背景に「泊まる旅館から、通う旅館へ」という考え方を掲げ、宿泊を前提としない旅館の可能性を模索してきた。
これまでの取り組みでは、旅館を単なる滞在施設としてではなく、地域の日常や文化と交わる場として捉え直し、嬉野温泉、うれしの茶、肥前吉田焼といった地域資源を軸に、体験や店舗の展開、飲食・物販の誘致を進めてきた。また、ワーケーションやサテライトオフィスによる異業種との共創、日本語学校の開校などを通じて、宿泊の有無を超えて多様な人々が集う「開かれた旅館」づくりを段階的に進めてきた。
これらの取り組みは、旅館をプラットフォームとして地域資源が結びつく新たな観光の形として評価され、観光や地域創生の分野においても注目を集めてきた。2025年11月には、地元の食文化を担う新たなパートナーの出店により、飲食、物販、文化体験が旅館空間の中で連動し、「通う旅館」第一章として描いてきた構想が一つの節目を迎えた。
2026年以降は、約2万坪に及ぶ敷地全体を社会実装に向けた実証実験の場と位置づけ、プロジェクトは新たなフェーズへと進む。すでに展開しているサテライトオフィスやインキュベーション拠点との連携を強化し、文化、産業、人材が交わり続ける仕組みづくりを進めることで、地域とともに価値を創出する社会インフラとしての旅館を目指していくとしている。