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台風10号の爪痕 九州各地でホテルも甚大な被害

台風10号(ハイシェン)が6日〜7日未明にかけて九州に最接近した。「最大級の警戒」が呼びかけられたが、台風から一夜明けた道路には木の枝や家屋の破片が飛び散り、強力台風の威力を見せつけた。

大型で非常に強い勢力を維持したまま、台風10号は九州の西を北上した。暴風域が広く、長時間に渡って各地で暴風雨が吹き荒れ、ホテルや旅館も甚大な被害を受けたことが明らかになっている。

鹿児島県の霧島連山近くのリゾートホテル「Active Resorts 霧島」では、台風による停電のため臨時休業することを公式サイトで発表した。休業期間は2020年9月8日(火)11:00~9月11日(金)14:00。九州電力によると、九州では8日午前5時現在でおよそ9万2830戸が停電しているとのこと。鹿児島県だけでもおよそ5万9200戸が不便な状況を強いられている状況だ。8日夜のうちに復旧できる地域もあるが、地域によってはさらに復旧に時間がかかる見通しだとしている。

また、長崎県平戸市の「平戸海上ホテル」では、窓が窓枠ごと抜け落ちてしまった。台風9号で露天風呂が破損するなどの被害を受けていたが、台風10号の暴風でも旧館の階段の窓ガラスが割れる被害。幅約5メートル、高さ約2メートルの海を見渡せる大きな1枚の窓が十数枚あったが、すべて枠ごと落ちたという。取材したテレ朝NEWSによると、ガラスが散乱し立て掛けていた絵画も崩れようとしている状態だが、代表の鈴木さんは「お客様やスタッフが無事でよかった」と話しているとのこと。

「平戸海上ホテル」は創業55年の老舗ホテルだが、コロナによる需要減で厳しい経営状況が続いている。コロナ禍を乗り越えるため、現在クラウドファンディングで寄付を募っており、500円からサポートできる。

本来なら多数の観光客が訪れるはずの秋の行楽シーズンだが、今年は新型コロナに始まり7月の記録的大雨、台風9号・10号と続き、被災した地域では相次ぐ災難に疲れの表情。ホテル・旅館関係者からは「心が折れる」「コロナ被害に駄目押しだ」と落胆の声も聞かれている。

現在も、土砂崩れによる被害を受けた安否不明者の捜索が続く。不安定な天候が続くと、これまでの大雨で地盤が緩んだ場所も多く、さらなる災害の発生に警戒が必要だ。

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