東急不動産および東急リゾーツ&ステイは、グループ全体で推進する環境経営方針に基づき、東急リゾーツ&ステイが運営する東急ハーヴェストクラブ18施設に、スターエンジニアリングの業務用バイオ式生ごみ処理機「バイオクリーン」を導入した。今回の取り組みは、運営受託施設やレストランを併設しない施設などを除いた対象施設で実施されたものである。また、食の循環をさらに進める施策として、東急ステイ高輪と東急ステイ新宿イーストサイドの2施設において、Jバイオフードリサイクルと連携した食品廃棄のリサイクルも2025年6月から開始された。
東急不動産ホールディングスグループは、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」の3つを重点課題として掲げ、環境保全に取り組んでいる。今回の施策も「食」に焦点を当てた循環型社会への貢献として位置づけられ、食品廃棄物の削減と資源循環を目的としている。コンポスト導入は2022年度から開始され、18施設に導入が完了しており、各施設で生ごみを良質な堆肥に変換し、自社収穫体験施設や提携農家での農作物育成に活用されている。提携農家の農作物をホテルで提供するなど、地域との連携も図られている。
具体的な活用例としては、鬼怒川では地元農家と連携し、収穫された野菜をレストランで提供している。蓼科では施設内の「エディブルガーデン」での収穫体験を実施し、勝浦では堆肥を用いた菜園でハーブを育て、館内で使用するなど、各施設で地域と一体となった運用がなされている。一方、東急ステイの2施設で実施された食品廃棄リサイクルでは、Jバイオが有するメタン発酵技術により、食品廃棄物からバイオガスを生成し、電力として活用、残渣を肥料として再利用している。これにより焼却される食品廃棄物の削減と食品リサイクル率の向上、カーボンニュートラルな電力の供給が可能となっている。
東急不動産と東急リゾーツ&ステイでは、87施設で歯ブラシやヘアブラシなどのアメニティ製品をバイオマス製に変更するなど、プラスチック廃棄の削減にも取り組んでいる。東急リゾートタウン蓼科では、森林保全を目的とした「もりぐらし」ブランドを立ち上げ、間伐材をウッドチップに加工し、ゴルフ場のバイオマスボイラーで燃料として活用している。さらに、東急リゾートタウン勝浦では2025年5月に「勝浦市藻場保全対策協議会」を設置し、海洋生態系の保全を目的とした活動や、その一環で駆除した植食性魚類を活用したハンバーガーの開発なども行っている。
東急不動産ホールディングスは、2021年に発表した長期ビジョン「GROUP VISION 2030」のもと、スローガン「WE ARE GREEN」を掲げ、「環境経営」と「DX」の2本柱を全社方針として推進している。2022年末には、事業所および保有施設の電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、2024年3月には国内事業会社として初めて「RE100」目標達成の認定を受けている。
東急不動産、東急リゾーツ&ステイ、東急リゾートの3社は、「体感型サステナブルリゾート」として、「体験」「地域」「環境」の3テーマに基づいた取り組みを進めている。