SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSEは、2025年9月19日に開業7周年を迎え、8年目の新たな歩みを開始した。2018年の開業以来、「地域の魅力をプロデュースし、日本の地方都市を世界からの目的地にする」をミッションとして掲げ、山形庄内の資源を活かした宿泊体験を提供してきた。2024年4月には運営会社を株式会社LOCAL RESORTSへ改称し、地域資源を基盤とした新たなホテル開発・運営へと事業を拡大した。
同ホテルは2024年度に約5万人の宿泊客を迎え、庄内地域の観光資源の発掘と体験価値の向上に努めてきた。これまでの7年間は「0から1のサービス創出」に注力してきたが、8年目からは「1を10にする」フェーズに移行し、既存のサービスを高付加価値化することで、世界の観光市場に通用するデスティネーションホテルとしての機能強化を目指している。今後は地域の交流人口および関係人口の拡大に貢献する方針である。
2025年度のテーマは「山形庄内の資源を磨き上げ、体験価値を世界に通用する形へ昇華する」であり、重点プロジェクトとして「田んぼとお米のプロジェクト」や「YAMAGATA SHONAI SAKE STORY」を推進している。「田んぼとお米のプロジェクト」では、会員が契約農家の田んぼで有機JAS認証つや姫の米作りを体験し、収穫した新米を自宅に届ける仕組みを導入している。鶴岡市羽黒町の出羽弥兵衛株式会社が協力し、安心で高品質な米を通して“食の循環”への理解を深める取り組みである。
また、2023年に始まった「YAMAGATA SHONAI SAKE STORY」は、庄内の酒蔵やワイナリーと連携し、ペアリングディナーを通じて酒と食の文化を伝えるイベントである。これまで庄内の4酒蔵と1ワイナリーと開催しており、当館料理長佐藤義高と蔵人が綿密なメニュー検討を重ねたペアリングと、庄内の酒と食の歴史にまつわる話も評価を得ている。鯉川酒造代表取締役社長・佐藤一良氏の言葉をきっかけに、ピノ・コッリーナ松ケ岡と鯉川酒造とのオリジナルワイン・日本酒造りも行われた。スタッフが日本酒やワインの製造工程に関わる取り組みもその一環であり、テーマ設定や学び・体験コンテンツを拡充しながら、庄内の酒文化や作り手の思いを伝えるイベントとして進化を続けている。
さらに、2023年に始動した「サスティナブルチャレンジ」は、今年で3年目を迎える。地球環境の破壊や原料・エネルギーコストの高騰などの社会的課題を背景に、2025年度も多角的な課題解決に挑戦している。「自然、風土、人 山形庄内の魅力を発信し続ける」「山形庄内の食の魅力を伝え、山形庄内の食に責任を持つ」といった行動指針のもと、地域と人に優しいモノづくりを推進している。2025年度の取り組みのひとつとして、温泉水と山形産さくらんぼから抽出したエキスを配合したオリジナルスキンケアセットを客室に設置し、滞在を通じて地域資源の新しい価値を体感できるようにしている。
中弥生総支配人は、「おかげ様をもちまして、当館は本日9月19日に開業7周年を迎えることができました。これもひとえに日頃よりホテルを利用いただいているお客様と、変わらぬご支援をくださる地域の皆様のおかげです」と感謝を述べた上で、「観光マーケットや旅行者の価値観が変化する中、山形庄内の変わらない素晴らしさに改めて焦点を当てながら、新しい一年もお客様に愛されるホテルづくりを目指してまいります」と語った。