メトロエンジン株式会社は、株式会社ソラシドエアに航空業界向けレベニューマネジメントシステムを提供し、同社の全路線・全便に正式導入されたことを発表した。本システムは、需要予測の精度向上と運賃設定業務の効率化を目的とし、収益向上が期待される。
ソラシドエアはこれまで長年にわたり培った知見を活かし独自にレベニューマネジメントを行ってきたが、さらなる精度向上を目指し本システムを導入するに至った。メトロエンジンが提供するレベニューマネジメントシステムは、需要フォーキャストから最適な運賃額の算出、運賃額の反映までをほぼ自動化するソリューションである。
AIが市場トレンドや外部要因、競合データを分析し、設定されたルールに基づいて最適な運賃額を提示する仕組みで、これにより需要予測の精度向上と論理的な運賃設定が可能となる。本システムの導入によって、効率的かつ効果的な運賃設定が実現されることが期待されている。
メトロエンジンは、ホテル業界向けのレベニューマネジメントシステムや鉄道業界との協業など、ダイナミックプライシング分野において豊富な実績を持ち、高度な需要予測技術を強みとしている。ソラシドエアは、この精緻な需要予測能力と柔軟なカスタマイズ性を高く評価し、本システムの採用を決定した。すでにシステムが推奨する運賃額は実際の販売運賃に活用され、運用が開始されている。今後はさらに業務効率化と利益拡大を目指し、システム活用を進めていく方針である。
「レベニューマネジメントシステム」は、外部要因データや過去実績、競合運賃データを基にAIが需要を予測し、設定ルールと掛け合わせて推奨運賃を算出する仕組みである。需要予測から運賃反映までを自動化し、属人化しがちな業務の効率化が図れる。カスタマイズ性も高く、自社の特性に合わせた運用が可能だ。また、同社はホテル向けに「メトロエンジン レベニューマネジメント」というサービスも提供している。このサービスはビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行い、宿泊事業者が需要に合わせた最適な価格設定を行えるよう支援するもので、国内でも有数のホテルチェーンと契約し、利用されている。
株式会社ソラシドエアは、「九州・沖縄の翼」として羽田や沖縄と九州を結ぶ路線を展開し、毎日14路線80便を運航している。ボーイング737-800型機を使用し、平均81cmの座席間隔を確保するなど快適な機内環境を提供している。また、地域振興プロジェクト「九州・沖縄プロモーター」を通じて、地域のヒト・コト・モノをつなぐ取り組みも行っている。