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「海の日」固定化論争ー三連休解消による地方都市への影響は

7月第3月曜日の「海の日」を7月20日に固定化するよう超党派の議員連盟が求めていることに対して、日本旅行業協会(JATA)などの観光団体はハッピーマンデー(祝日三連休)制度の維持を訴えている。今年は、7月14日(土)-16日(祝)が海の日となる。同3連休の金沢、高山、福岡の客室在庫数から固定化による影響を実証的に分析した。

海の日論争
「海の日」を7月20日の固定日にするよう主張する議員連盟(海事振興連盟)は、海の日が2002年まで、明治天皇が東北巡幸から横浜港に戻った日に由来する7月20日だったことから、同日に戻すよう主張している。海の日は1996年に祝日となり、一旦は固定日であったが、2002年から7月の第三日曜日にハッピーマンデー制度の適用により休日として日付が毎年変わる仕組みとなっている。
2016年に始まった「山の日」は8月11日の日付固定でありながら、特に山に関する特別な由来はないことや、東京五輪の超党派のスポーツ議員連盟が「海の日」「山の日」「体育の日」を移動する東京五輪特別措置法の改正をめざしていることなどが、議員連盟の主張を後押ししている。
これに対して、JATAをはじめ、日本ホテル協会や日本旅館協会などの宿泊関連を含めた観光団体は激しく反発、ハッピーマンデー(祝日三連休)は大都市の旅行者の地方への誘客の機会となっていることなどを指摘している。

海の日三連休の在庫状況ー金沢、高山、福岡
メトロエンジンリサーチから海の日の三連休の金沢、高山、福岡の三つの地方観光都市における宿泊施設の客室在庫数の分析を通じて、その影響について考えてみよう。
まず、石川県金沢市の海の日前後の客室在庫数は以下の通りとなっている。

金沢の客室在庫数

出典:メトロエンジンリサーチ

上記のグラフの通り、シングルルームの在庫が平日・休日ともに残るものの、海の日のある三連休においては他の土日や休日よりも際立って在庫数が減少し、宿泊施設の稼働が上昇していることがわかる。

続いて、近年古い町並みやアニメ映画の影響で注目が高まる飛騨高山の岐阜県高山市の客室在庫数を見てみよう。

高山の客室在庫数

出典:メトロエンジンリサーチ

上記のグラフでは、その他に分類されている客室の在庫が一定数に及んでいることがわかるが、海の日の三連休において顕著に客室在庫が減少していることがわかる。

最後に九州最大の都市でインバウンド集客で成功する福岡県福岡市を見てみよう。

福岡の客室在庫数

出典:メトロエンジンリサーチ

上記の通り、福岡では、土日の休日においてほとんど客室在庫が無くなっている。海の日の三連休に限らずこの傾向に変化はなく、休日においては常にホテルがフル稼働状態となっていることがわかる。

以上のことから、海の日三連休においてはいずれの都市でも客室の在庫数は極めて少なくなっており、特に三連休の影響は福岡などの大都市よりも、より遠方で観光滞在日数が多くなると考えられる金沢や高山のような地方の観光都市への影響がより絶大であることがわかった。

海の日三連休で各地で開催される催事
海の日が三連休で無くなる場合には、遠方から地方に観光しに行く人が減少することが予測され、地方の観光都市にとってはより甚大になる。
海の日の由来に基づいて、その日付を重視する考え方がある一方で、海の日にちなんだお祭りやイベントは日本各地で三連休中に多数開催されている。
そうした海の日にちなんだお祭りやイベントへの参加を含めて、観光客の獲得は3連休としたほうが得やすいのではないかと思われる。
大事にしなければならないのは、その日付ではなく、そうした催事への参加をしやすくすることなのではないだろうか。

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