リゾートトラスト株式会社は、株式会社ちとせ研究所の協力を得て、食品リサイクルの一環として飼料昆虫を活用した循環型食材供給の取り組みを開始した。2025年2月よりエクシブ蓼科において、ホテルの食品残渣をエサに育てた飼料昆虫を利用し、その昆虫で育てた鶏の卵を使用したメニューの提供を始めている。
この取り組みは、リゾートトラストとちとせ研究所が共同で進める食品系バイオマスの資源化に関する研究の一環であり、食品リサイクルループの構築を目指した実証試験の一部として実施されている。飼料昆虫は高品質なタンパク質を含むだけでなく、食品残渣を分解し、有機肥料に変換する能力を持つ。従来の飼料と比較して環境負荷が低く、持続可能な食料生産の手段として注目されている。現在、鶏の飼料として利用しているが、今後は水産物の飼料としても活用し、それらの水産物をホテルのメニューに取り入れる計画が検討されている。この循環を通じて、資源の有効活用を最大化し、環境負荷の低減を図る。
リゾートトラストグループは、レストランから排出される食品廃棄物を単なる廃棄物として処理するのではなく、資源として再利用する「食品リサイクルループ」の構築に取り組んでいる。この取り組みにより、食品廃棄物の焼却による温室効果ガスの排出を抑え、カーボンニュートラルの実現に寄与するとともに、地域の生産者との連携を強化し、地域内での経済循環を促進することを目指している。
グランドエクシブ浜名湖やエクシブ蓼科では、ちとせ研究所との実証試験の一環として、ホテルで発生する食品残渣を堆肥化し、その堆肥を活用して近隣の農業生産者と連携し、野菜などの農産物を生産している。これらの農産物は、ホテルのレストランで提供されるだけでなく、展示販売を通じて地域の農業とホテルの食材供給をつなぐ役割を果たしている。
リゾートトラストグループは、余暇や健康関連事業における環境課題や社会課題に向き合い、持続可能な社会の実現を目指している。マテリアリティの一つとして食品廃棄物を含む食品ロスの低減を掲げ、2027年度までに食品廃棄物の再生利用等実施率を65.6%に引き上げる目標を設定している。食品リサイクルを通じて生み出される資源を最大限に活用し、新たな価値を創出することで、資源循環型社会の構築を加速させていく方針である。
これらの取り組みを通じて、環境負荷の低減と資源の有効活用を進めることで、次世代に豊かな地球環境を引き継ぐ責任を果たし、持続可能な未来の実現に貢献していく考えである。