HotelBank(ホテルバンク)では、独自に宿泊事業者を対象にウィズコロナのホテル運営とDX活用についてのアンケート調査を実施した。ここではその結果と考察を公表する。
調査はインターネットを通じて行われ、期間は2023年3月1日から3月28日までであった。対象は20代から60代の宿泊事業者で、有効回答者数は55名だった。
調査によれば、98.1%のホテル事業者がコロナ禍と比較して需要の戻りを感じている。また、現在の稼働率は70%以上と回答したホテル事業者は全体の45.4%であり、90%を越える事業者は1.8%である。この結果から、宿泊・観光業界の需要回復は明らかである。
70.9%のホテル事業者が客室単価を上げることを検討中であり、それを実現するための指標として、「競合施設の価格」、「自社施設の過去実績」、「周辺のイベント情報」が重視されている。また、売上を上げるために、“宿泊料金の値上げ ”“ サービスの拡充”に注力するホテル事業者が約半数であり、インバウンド誘致に力を入れる施設も27.3%となっている。
一方、ウィズコロナ/アフターコロナ時代において、69.1%のホテル事業者が運営課題に「人手不足」と回答しており、この解決のために、64.2%が採用の強化を図っていると回答している。
そして、81.8%のホテル事業者がDXの推進に前向きであり、「チャットボット」や「レベニューマネジメントツール」など、Saas型DXツールの導入が最も進んでいる傾向にある。
まとめ
この調査結果から、コロナ禍後の宿泊業界では需要が徐々に回復しており、多くの事業者が客室単価の上昇やサービスの拡充を検討していることが明らかになった。これは事業者の楽観的な見通しを示しているといえる。
しかし、同時に「人手不足」が運営課題として浮かび上がり、その解決策として多くの事業者が採用の強化を図っている点から、人材確保の難しさとその解決に向けた取り組みが急務であることが伺えた。
また、大多数のホテル事業者がDXの推進に前向きで、その導入により運営効率化やサービス改善を目指していることが示された。これは宿泊業界におけるDX化の進行を示しており、今後の業界の成長や競争力強化に寄与する可能性があるといえる。
編集部より皆様へ
この度は調査にご協力いただき、誠にありがとうございました。
HotelBankでは、より皆様のご要望やご意見を反映した価値ある情報を届けてまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。