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奥入瀬渓流で学ぶ苔の魅力:中学生が体験した自然の神秘

(出典:星野リゾート

青森県十和田市にある「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」では、8月10日の「苔の日」に、中学生を対象とした特別イベントを開催した。このイベントは、苔に関する体験を通じて、地元の自然環境やその魅力について学びを深める機会を提供するものであった。

奥入瀬渓流は、日本で約1800種類存在するとされる苔のうち、300種類以上が生息しており、日本でも有数の「苔の聖地」として知られている。2013年には「日本の貴重なコケの森」にも選定されており、苔を観光資源として活用する取り組みが続けられている。同ホテルは、昨年も苔に焦点を当てた観光振興に関するセッションを開催し、その中で「地元の子どもたちにも苔の魅力を感じてもらい、将来的には地元の自然を愛する人材が増えることを願う」という意見が出されていた。この意見を基に、今年の「苔の日」イベントが企画された。

(出典:星野リゾート

イベント当日は、十和田市内の中学生とその保護者、地域の観光に携わる事業者が参加した。まず、NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会(おいけん)奥入瀬モスボール工房、そして奥入瀬渓流ホテルの渓流コンシェルジュがそれぞれの活動を紹介し、参加者たちは地域の観光や苔の楽しみ方について学んだ。また、苔の魅力を存分に表現した「おいらせコケバス」の初乗車も行われた。このバスは、車体に苔を約10倍に拡大プリントしたデザインが施されており、車内には「ホウオウゴケ」をイメージした壁も用意されていた。生徒たちは、そのデザインや車内の装飾を楽しみながら、苔の世界に触れる貴重な体験をした。

その後、奥入瀬渓流に出かけ、「コケさんぽ」と呼ばれるネイチャーツアーに参加した。生徒たちは、おいけんのガイドの案内のもと、渓流に生息する苔をルーペを用いて観察し、その独特の匂いや透明感のある色彩など、苔のユニークな生態を学んだ。観察は、「雲井の滝」や「白銀の流れ」といった奥入瀬渓流の名所で行われ、生徒たちは苔の世界に深く魅了された。

(出典:星野リゾート

また、奥入瀬モスボール工房の指導のもと、苔玉作りにも挑戦した。生徒たちは「コケさんぽ」で観察した苔の様子を思い出しながら、小さな苔玉を作り、それぞれの感性で奥入瀬渓流の風景を表現した。このような体験を通じて、地元の自然環境への理解が深まり、将来に向けて自然を守る意識が育まれることが期待される。

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、自然との調和を大切にし、持続可能な観光を推進することで、地元の魅力を国内外に発信し続けている。今回のイベントは、地域に根ざした観光資源としての苔の価値を再確認し、次世代にその魅力を伝える重要な機会となった。

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