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日本旅行が過去最大の赤字127億円 店舗を100店に半減

3月18日。日本旅行(NTA)は2020年12月期の連結決算で、過去最悪となる127億円の赤字だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、旅行需要が激減したことが要因となった。

日本旅行の発表によると、2020年の売上高は前期比56.7%減の237億円。2019年が16億円の黒字であったのに対し、2020年の純損益は127億円で過去最悪の赤字にまで転落した。

経営悪化の要因はやはり新型コロナウイルスの感染拡大だ。昨年4月に緊急事態宣言が発令され春の旅行需要が激減。政府の観光需要喚起策「GoToトラベルキャンペーン」が開始したことで10月以降は前期同月を上回ったものの、通年では国内旅行が6割の減少。海外旅行にいたっては9割が減少した。

この事態を受け、日本旅行は大規模な経営圧縮を行うと発表。全国に200ほどある店舗は100にまで削減し、グループ内外への移籍を通して人員を整理。要員は収益拡大が見込める分野に集中させ、そのほかには一時帰休(休業)措置をとるなど、徹底して経費削減を図っていく方針だ。

コロナの影響で壊滅的な打撃を受けている海外旅行やインバウンドの部門は事業体制を大幅に縮小し、今後はJR各社と連携しつつオンラインでの集客に力を入れていくという。

政府の動向に目を向けると、緊急事態宣言は3月21日で解除されるものの、GoToトラベルの再開の見通しは立っていない。期待のオリンピック・パラリンピックも海外客の受け入れは拒否するのではとの見方が濃厚で、宿泊業界の苦境はもうしばらく続きそうだ。

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