世界各地で最高級のラグジュアリー・クラスのホテル、リゾート、およびレジデンス施設を所有・運営している、マンダリンオリエンタルホテルグループは、2023年度版のサステナビリティ・レポートを公開した。このレポートは、環境、社会、ガバナンス(ESG)ポリシーの強化に関する取り組みの進捗をまとめたものである。
昨年1年間で、同グループのホテル11軒がグローバル・サステイナブル・ツーリズム協議会(GSTC)の認証を取得し、2025年までに全ホテルでの認証取得を目指している。また、エネルギー消費量を2012年基準値から22%削減し、国際的なアシュアランスパートナーであるLRQA社によって検証された、主要な大量生産食品における責任ある調達を実施した。これらは同グループがこれまでに実施してきた主な取り組みである。
また、これまでに実行した主な取り組みとその成果についてもレポートで述べられている。例えば、食品廃棄という重大な問題に対処するため、AIを活用した食品廃棄物管理システム「Winnow」を全ホテルの厨房に導入したことにより、食品廃棄物を大幅に削減するためデータ分析によってゲストに提供するメニューと分量を最適化することが可能となった。また、事業活動から使い捨てプラスチックの99%を排除することに成功し、残りの1%に対処するための継続的な努力を行っている。この取り組みにより、これまでに年間約1,000トンのプラスチック廃棄物が除去され、同グループの責任ある廃棄物管理への取り組みが実証されている。さらに同グループで提供する全てのコーヒー、紅茶、バニラ、ココア、砂糖について、国際的なアシュアランスパートナーであるLRQA社による責任ある調達の検証を受け、責任ある調達活動において大きく前進しており、WWF(世界自然保護基金)の最新の絶滅危惧水産物ガイドを遵守し、絶滅危惧種水産物回避リストに掲載されている19種の回避にも努めている。グループで使用される卵の90%以上はケージフリーの鶏から調達しており、2024年までに100%を達成することを目標としているのである。また、大手サプライヤーとの革新的なパートナーシップにより、衛生用品、シャワーキャップ、シェーバーなどにプラスチックを使用しないオプションなど、環境に配慮した客室アメニティの開発等も行った。
地域社会への支援も同グループでは行っている。2023年には社員がボランティア活動を行うための有給休暇を付与するグループ全体のイニシアチブを導入した結果、ボランティア活動時間は前年比150%増加し、当グループのコミュニティ活動へのコミットメントがより強化された。
このレポートについて、同レポート編集者のジュリエット・キンズマン氏は「マンダリン オリエンタル独自のデータを共有するだけでなく、持続可能性における主要なテーマを読みやすい方法で伝えているため、レポートを読んだ人々の間でポジティブな影響が指数関数的に高まることを期待している。同レポートの率直な伝え方によって、読者が持続可能性を測定する際に何が重要で、なぜ重要なのかをよりよく理解し、他のホテルや企業、個人が自らの実践を改善し、前進させるきっかけになることを願っている」とコメントした。
また、マンダリン オリエンタル ホテル グループ グループ最高経営責任者、ローラン・クライトマン氏は「持続可能性は単なる責任ではなく、ラグジュアリーの卓越性の礎だ。世界で最も美しく、人気の高いロケーションの管理者として、同ホテルは、ラグジュアリーなホスピタリティの最高基準を設定しながら、ゲストに提供するユニークな体験から、グループが事業を展開する地球や地域社会に与える影響に至るまで、革新を続けることを約束する。同グループのサステナビリティへの献身は、エネルギー効率、使い捨てプラスチックの排除、責任ある調達など、さまざまな分野での大きな進歩に表れている。」と述べた。
マンダリン オリエンタル ホテル グループは、26の国および地域で40軒のホテルと12のレジデンス施設を運営しており、アジアの伝統文化と地域の特徴を重んじた運営哲学を貫いている。今後もサステナブルな成長を達成しつつ、ホスピタリティ業界における革新的なリーダーとしての地位を強化していく。
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