国連大学はこのほど、京都市とともに持続可能な開発目標(SDGs)の実現および同市が抱える社会課題の解決を目指し、連携を図るための覚書を締結した。
3月19日に京都市内で行われた調印式には、門川大作京都市長とデイビッド・マローン国連大学学長、沖大幹上級副学長が出席した。
京都市は、1000年を超える歴史を持つ日本の古都として世界的にも人気の観光都市である一方で、持続可能な観光や公共交通機関の推進、プラスチックごみや温室効果ガス排出量の削減など多くの社会的課題を抱えている。こうした課題は、世界の多くの都市でも今後ますます顕在化していくものと考えられるという。
国連大学は、世界各地に広がる研究機関において、水やサステイナビリティ、経済開発、ジェンダーなど全てのSDGsに関する研究、政策提言と教育に取り組んでいる。その中でも2017年10月に東京にある国連大学本部で立ち上げた「SDG企業戦略フォーラム」では、日本企業のSDGsへの取り組みを推進・強化することにより、企業の長期的成長への寄与と持続可能な社会の実現への貢献を目指しているとのこと。
国連大学は、SDG企業戦略フォーラムを通じて京都市内の民間企業や研究機関などと連携し、社会実装を進めます。京都市が抱える多くの社会的課題を解決することに寄与し、これら活動の成果を国内外に発信することによってSDGsの達成に貢献していきたい考え。
SDG企業戦略フォーラムの座長を務める国連大学の沖大幹上級副学長は、京都市との新たな連携について次のように述べた。
「SDGsは世界規模の目標で、それぞれの地域の実情に合わせてローカライズしていくのが各国政府や、地方自治体、民間企業の役割です。国連大学は、京都市との官民学の連携を通じて、今後1000年を見据えた持続可能なまちづくりに取り組みたいと思います。」