近鉄グループホールディングス(HD)は3月25日、保有するホテル8件をアメリカの大手投資ファンド、ブラックストーン・グループに譲渡すると発表した。
譲渡されるホテルは京都市の「都ホテル 京都八条」、大阪市の「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」、福岡市の「都ホテル 博多」、神戸市の「神戸北野ホテル」など8件で、帳簿価格は423億円。なお、譲渡額および譲渡益は相手先との取り決めにより非公開となっている。
譲渡後も運営は近鉄グループが行う。今回の売却は、「アセット(資産)を保有する経営」にかたよった現状から、運営に特化したノンアセット経営を推進していく狙いがあるという。
方針転換の契機になったのは、昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響だ。同社が発表した2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月)の連結決算によれば、営業損益で596億円、純損益で354億円の赤字だった。今後はブラックストーンと協業し、ホテル運営に特化した事業戦略を展開することでさらなる成長を目指すとのこと。
近鉄グループHDは1951年よりホテル経営に着手。大手ホテルチェーン「都ホテルズ&リゾーツ」を傘下におさめ、現在、国内外に24のホテルを展開している。譲渡しない16件のホテルについては、引き続き近鉄グループHDが経営していく。