新型コロナウイルスの感染状況が悪化したため、各県が観光需要喚起策として行っている宿泊割引の新規・既存予約を一時停止する都道府県が相次いでいる。
4月中旬、石川県・徳島県・長崎県・熊本県の4県が感染状況の悪化を理由として、県民向けの宿泊割引を停止すると発表した。
新規および既存予約を停止することが決定したのは、石川県の「県民向け宿泊応援事業(第2弾)」。徳島県の「もっと!とくしま応援割」。長崎県の「ふるさとで“心呼吸”の旅 第2弾」。熊本県の「くまもと再発見の旅」。
「もっと!とくしま応援割」は5月31日までの実施を予定していたが、4月21日から新規予約を停止し、4月25日からは既存予約も停止する。「ふるさとで“心呼吸”の旅 第2弾」も同じく5月末まで実施予定だったが、は4月19日21時以降より新規予約を停止し、4月23日からは既存予約も停止となる。
4月28日まで実施中の「くまもと再発見の旅」は、4月20日から新規予約を停止。同じく4月28日まで実施される石川県の宿泊応援事業も、4月14日から新規予約の受付を停止した。一方、終了が間近であることから、どちらも既存予約分は割引の対象となる。
政府が主導する「GoToトラベルキャンペーン」の停止措置が続く中、今年はじめから、感染状況が落ち着いている都道府県では対象を住民に限定した宿泊割引を再開する動きが出てきていた。しかし東京・大阪を中心に「第4波」とも呼ばれる感染拡大が発生し、地方でも感染者がじわじわと増え始めたことで、宿泊割引を停止する流れが起きている。
GWを間近に控えた時期の相次ぐ宿泊割引停止。苦境にあえぐ観光業界にとってさらなる逆風となりそうだ。