石川県加賀市の片山津温泉の旅館「加賀八汐(かがやしお)」が新型コロナウイルスの影響で事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債総額は約2億円と見込まれている。
経営破たんしたのは加賀市片山津温泉の旅館「加賀八汐」。民間の信用調査会社帝国データバンクによると、当社は1973年に「加賀プラザホテル」として営業を開始。その後、2007年に運営会社から分割した会社「加賀八汐」が経営を引き継ぎ、旅館の名称を「加賀八汐」に変更して営業していた。
2015年の北陸新幹線開業後はインバウンド需要なども取り込んで一時的な業績の回復はあったものの、以前から赤字決算が続いていた。団体旅行客の減少などから厳しい経営が続く中、今年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績はさらに悪化。
今年9月に従業員30名を解雇して休館していた。事業の継続を断念し、今回倒産の事態となった。担当弁護士には、白木智巳弁護士が任命されている。
新型コロナによる経営破たんは県内で10件目。北陸3県での新型コロナ禍を受けての温泉旅館の経営破綻はこれが初めてとなる。