2021年3月24日、加賀屋グループの入社式が開かれ、新入社員たちが社会人としての一歩を踏み出した。
新型コロナで宿泊客が激減し、人員縮小、採用凍結を余儀なくされる企業も多いが、同グループでは1906年の創業以来最多となる85人を採用。新入社員は昨年は39人で、最近では2015年の76人が最も多かった。小田社長によると、コロナ禍で部屋で食事をする客が増え、人手が必要となっていることが大量増員の理由だという。
同グループでは急減していた客足が例年並みに戻りつつあると同時に、今後は部屋食の需要増を見込んでいる。パートを含む従業員の雇用はおおむね維持した上で、さらに人員を増やすことを決めた。また、コロナ収束後には外国人客も戻ってくると想定しており、「おもてなし」を充実させたい狙いもある。
小田社長は、入社式で「コロナからの復活、そして次の新しい成長に向けた未来を作りましょう」と新入社員に呼びかけた。新入社員はこれから約3か月研修を受けた後、接客や営業、調理などそれぞれの部署に配属される。同グループは、創業115年を迎えた石川県七尾市の老舗旅館「加賀屋」や系列の旅館、レストランなど20施設を経営している。