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令和5年度「観光事業に関する自治体実態調査」:全国自治体調査からの洞察

日本観光推進総合研究所が実施した「観光事業に関する自治体実態調査」の結果が公表された。調査は、全国1741自治体を対象に、令和5年4月10日から5月31日まで実施され、回答率は37.4%であった。調査では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた観光事業の現状と、今後の観光振興への取り組みについて明らかにされている。

観光客数の増減についての内訳(出典:観光事業に関する自治体実態調査
調査結果からは、観光客数がコロナ前の約7割以上に回復した自治体が半数を占め、5%の自治体では観光客数がコロナ前より増えたとの報告があり、観光需要の回復傾向が読み取れる。また、観光振興のための施策として、パンフレットやマップの作成、キャンペーンの実施、PR動画の作成が上位に挙がっている。

SNSの運用状況および運用しているプラットフォームについての内訳(出典:観光事業に関する自治体実態調査
一方で、観光事業の運営における人員不足や予算不足が課題となっていることも報告されている。特に多言語化への取り組みが進んでおり、機械翻訳の活用にも注目が集まっている。また、情報発信のプラットフォームとしてはInstagramやFacebookが主流で、視覚的で直感的なPRに力を入れていることが分かる。

観光DXの取り組み状況についての内訳(出典:観光事業に関する自治体実態調査
観光DXへの取り組みは、全体の2割の自治体がすでに実施または実施予定とし、半数は取り組みたいが実施できていないという状況である。しかし、全体の約7割が観光DXへの積極的な取り組みを考えているという。これからの観光事業推進に向けた課題としては、「人材不足」が最も多く、次に「二次交通対策」や「宿泊施設が無い/少ない」が挙がっている。

観光事業の推進における官民連携の状況についての内訳(出典:観光事業に関する自治体実態調査
自治体間の連携については、約7割の自治体が民間事業者や他団体との連携を検討または実施しており、広域連携についても6割超の自治体が検討または実施しているとの結果が出ている。しかし、「連携する予定はない」とする自治体も約3割存在し、広域連携体制の構築は今後の課題となっている。

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