帝国ホテル東京が、新規事業としてサービスアパートメント「帝国ホテル サービスアパートメント」を開始する。入居開始は3月15日で、2月1日から予約受付を開始した。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言が1都3県に出されて約3週間。政府は宣言を延長する方針を固めており、Go To トラベルキャンペーンの再会はまだ目処が立っていない。都内の宿泊需要が回復しているとは言えないなか、様々なホテルが新しいホテルの利用方法を提案している。昨年秋には新たな宿泊施設の価値創出のため、メトロエンジン株式会社とBEENOS株式会社はホテルや旅館などの宿泊施設への長期滞在者向け予約サイト「Monthly Hotel(マンスリーホテル)」を共同で、サービス提供を開始した。
帝国ホテル東京も3月より、帝国ホテルの設備・サービスを活かしたサービスアパートメントをサービス展開開始する。「帝国ホテル サービスアパートメント」は、ホテルのリソースを活かし、旅館業法下で行う「ホテル内サービスアパートメント」という住まい方を提案するビジネスだ。
このサービスアパートメントを始めるにあたり、帝国ホテル東京はタワー館の客室3フロアの一部を改修し、99室のサービスアパートメントへと変貌させた。
この帝国ホテル サービスアパートメントは旅館業法に則った事業であり、そのため一般的なサービスアパートメント入居の際に必要とする契約手続きを必要としない。
元々はホテル客室であった部屋をアパートメントとして提供するため、客室内にキッチンや大型冷蔵庫などは設置されないが、快適な滞在のために専属のサービスアテンダントが24時間対応でサポートする。日常生活に必要な食事や洗濯などはサブスクリプション方式で提供するという。
長期滞在も短期滞在も可能な料金体系となっており、約30平方メートルのスタジオタイプの場合、月額36万円(税金、サービス料込み)となっている。最低宿泊日数は5泊からで、15万円(税金・サービス料込み)だ。
アパートメントフロアには共同利用できるスペース「コミュニティルーム」が設置され、朝食のパンが無料で提供されるほか、洗濯乾燥機、電子レンジなどを自由に利用することができる。また、サービスアパートメント利用者専用の食事メニュー、またシャツ類のランドリーサービスが、一定期間の定額制で提供される。
また、ホテル内の設備としては他にも、ホテルラウンジでのコーヒー、紅茶の提供や、駐車場利用(1室につき 1台)、フィットネスセンターやプール、サウナ利用(当面は予約制)などが利用できるほか、予約制のミーティングルームやビジネスラウンジも利用できるなど、オフィスワークに最適なサービスも含まれる。
帝国ホテルは本事業について、エグゼクティブ層を中心とした「第2の仕事場」としての利用のほか、企業規模でのBCP対策や、富裕層のセカンドハウスなどの需要を見込んでいるという。