インターコンチネンタル(IHG)がマリオット、ヒルトンに続き、OTA手数料の10%から7%への削減を発表した。世界最大規模の3ホテルグループが足並みを揃える中、OTA手数料の引き上げによりOTAからの顧客の取り込み、逆張りを狙うホテルも現れはじめ、ホテルのOTA戦略にも一枚岩ではない違いが見え始めた。
OTA手数料を10%から7%に
インターコンチネンタルがOTAなどの第三者に支払う手数料の削減に踏み切る。対象国は米国とカナダ、時期は2019年1月からで、現行の10%のOTA手数料を7%に削減する。日本を含めた米国、カナダ以外の国々については、10%のOTA手数料支払いを当面は維持する。
インターコンチネンタルのOTA手数料削減の決定は、ホテル産業において起きている大きな潮流の一つであり、マリオット、ヒルトンに続き、インターコンチネンタルがこれに加わったことで、世界最大規模の3大ホテルグループがOTA手数料の削減で歩調を揃えることとなった。
これらの会社では、OTA手数料削減に合わせて自社予約サイトの開発に莫大な投資を実施している。
手数料引き上げによる囲い込み、逆張りの動きも
他方で、ホテルとOTAの争いは一方的ではないことも注目される。
米ホテルチェーンのワーウィックホテル(Warwick Hotels and Resorts)やドリームホテル(Dream Hotel Group)はこうした動きに反して、OTAからのホテル予約の囲い込みを狙い、OTAの仲介機能の価値を再評価するなどとして、支払い手数料を現行から12%などへと引き上げる方針を発表している。
OTAから大手が引き上げる穴を狙った逆張りの戦略で、ホテル各社のOTA戦略にも違いが見え始めた。
ホテルとOTAの争いはより複雑さを見せながらさらに激しさを増していく。
【関連記事】
「欧州技術旅行サービス協会がホテルの直接予約シフトの効果を疑問視」
「マリオットがOTAへの支払手数料を見直しへーエクスペディアを皮切りに」
「ヒルトンがOTA手数料削減を発表ーマリオットに追随」