株式会社DFA Roboticsは、旅館・ホテルの管理職(支配人・マネージャー・部長職)108名を対象にアンケート調査を実施し、その結果をまとめた「宿泊業界の2024年総括と2025年展望に関する調査レポート」を発表した。同調査は、宿泊業界の現状や課題、ロボット導入の実態を分析し、業界全体の今後の方向性を示す内容となっている。
2024年を振り返ると、事業面で好転したこととして「宿泊単価の上昇」(68.5%)、「外国人旅行客の増加」(63.0%)、「客室稼働率の向上」(51.9%)などが挙げられた。一方で課題としては「人材の確保」(72.2%)が最も多く、「光熱費の上昇」(59.3%)や「食材費の高騰」(56.5%)が続いた。特にインバウンド需要の回復が進む中で、多言語対応を含むスタッフ確保の難しさやコスト上昇が、業界全体の大きな課題として浮き彫りとなった。また、宿泊単価の上昇により収益面での改善は見られるものの、食材や光熱費のコスト増の影響が相殺している状況も推察される。
「2025年の宿泊業界の見通しについて、どのように考えているか?」という質問に対しては、約半数(45.3%)が「明るい」と回答し、注力したい施策として「従業員の負担軽減のための労働時間の見直し」(45.4%)、「サービス品質の向上」(42.6%)、「コスト削減」(39.8%)などが挙げられた。これらは、持続可能な運営を目指す宿泊施設の意向を示している。
アンケート結果によると、宿泊業界におけるもっとも大きな課題は人材確保であることが見えてきた。そこで、人手不足対策の1つであるロボットの導入状況についても質問が行われた。「勤め先でロボットを導入しているか」という質問に対しては、配膳ロボットの導入率が6.5%、清掃ロボットが14.8%であった。導入済みの施設では、配膳ロボットに対し「人手不足の解消」(71.4%)や「接客時間の増加」(42.9%)が評価されており、清掃ロボットでは「人手不足の解消」(41.7%)、「効率向上」(33.3%)、「身体的負担の軽減」(25.0%)といった利点が挙げられた。また、多くの宿泊施設が、配膳についてはおもてなしの一環として人が直接行うべきと考える一方、清掃はお客様との接点が少ないことからロボット導入に前向きな姿勢を示している。
DFA Roboticsは、2021年11月より配膳ロボット事業を本格展開し、これまでに3,500台以上を導入。全国140箇所以上のサポート拠点を有し、地域密着型の提案とアフターサポートを提供している。また、2023年4月には国内初の多機能清掃ロボット「PUDU CC1」を導入するなど、最先端技術を活用している。同社は「次世代の社会インフラの創造」をビジョンに掲げ、ロボットが「人の可能性を伸ばす」存在となることを目指し、宿泊業界の課題解決と発展に寄与している。