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体験型の旅行が人気に、ブランド各社がホテル運営へ参入

米エクスペディアの各世代の旅行消費動向調査によると、あらゆる世代で「モノよりコト」を重視の志向が明らかとなった。同調査によると「可処分所得を何に使うか?」との問いに対し、全体の74%が「モノではなく、体験するコトに優先的に使う」と回答している。

 
ソーシャルメディアの影響が大きい
良好な景気状況もあり、米国の若年層の多くは日本同様にモノがあふれる環境下にある。そのような中でソーシャルメディアの流行もあり、ソーシャルメディアで紹介された先に旅行するケースが若年層は3割以上に上っている。また旅先の様子をソーシャルメディアに投稿することで、フォロワーからの良好な反応にも期待感を持っており、新しいスタイルの旅行が定着しつつある。
単なる有名観光地ツアーや買い物ツアーは、米国の若年層の旅行ニーズに合致していない実態が明らかになったとも言える。
 
 
相次ぐ異業種からのホテル参入
ソーシャルメディアの普及を背景とする、若年層のコト消費に危機感を抱くのが、アパレルを中心としたブランド各社である。店舗での販売が生命線のブランドであるが、若年層は真逆の行動を取っていることになる。
そのような中でブランド各社は、ホテル運営に参入している。既にブルガリ、バカラ、ヴェルサーチ、フェンディ、フェラガモなどがホテルビジネスを展開。ホテルでのブランド製品に囲まれた体験を通じ、自社ブランドのファン層拡大を目指している。
これらのブランドのホテル展開の動きは、米国若年層のコト消費志向に合致した動きと言える。
 
日本でも無印良品が2019年春に銀座に「MUJI HOTEL」のオープンを予定。国内のみならず、アジア地域において同社の「MUJI」は独特のブランドを確立しており、ホテル事業は国内ブランドによるホテル運営の最初の試みとなる。
「MUJI HOTEL」は訪日外国人観光客を主たる顧客ターゲットとしているが、その狙いは「MUJI」ブランドの体験であり、現在の世界のブランド会社の戦略に合致している。
 
消費者が豊かになり、ソーシャルメディアが普及したことにより、コト消費が重視される中でのブランド各社のホテル参入は、今後ブランド会社の新しいビジネスモデルとなりうる可能性がある。しかし一方で、好景気による時代の徒花となるリスクもある。
マーケティングに長けたブランド会社によるホテル運営の成否は、今後各業界から注目を浴びることになりそうだ。
 
 

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