株式会社共立メンテナンスは、島根県出雲市立浜山中学校の生徒を対象に、2025年9月17日から19日の3日間、同社が運営する「いにしえの宿 佳雲」「お宿 月夜のうさぎ」において職業体験プログラム「DOMINISTA CHALLENGE」を実施する。
「DOMINISTA CHALLENGE」は2019年から中高生を対象に全国のホテルで行われているプログラムである。フロント業務、清掃、ベッドメイキングなどの実務を体験し、仕事の裏側や働く人の想いに触れることで、子どもたちが接遇を通じて人の役に立つことや協力の大切さを学び、職業観や地域への愛着を育む機会を提供することを目的としている。また、多文化共生の時代において、異なる文化的背景を持つ人々と接する学びの場にもなっている。これまで延べ60校以上が参加し、中四国エリアでは7校が実施してきた。
今回のプログラムは三日間にわたり行われる。内容は職業説明やマナー講座などの座学のほか、フロントでの受付対応、接客体験、ベッドメイクや客室チェックなどの施設管理、レストランでの食器下げや試食体験などが含まれる。
浜山中学校の担当者は、本校の総合学習のテーマが「未来の生き方を考える3年間」であるとし、ふるさと教育とキャリア教育を軸に一年生は「知る」、二年生は「伸ばす」、三年生は「つなげる」を目標にしていると説明した。今回の体験は三年生が地域理解を深め、働く人の思いを知り、望ましい職業観や社会生活に必要なマナーを学ぶ貴重な機会であると述べている。
また、「いにしえの宿 佳雲・お宿 月夜のうさぎ」の副支配人は、生徒が宿の仕事に触れることはふるさと理解につながり、接客や言葉遣いの体験は将来の社会生活に役立つとコメントした。体験で得た気づきや学びを将来の姿に結びつけてほしいとの思いを示している。
共立メンテナンスは、社会や経済の不確実性が高まる中で、働くことの意味ややりがいを体感し、自らの将来を考える契機を提供するキャリア教育が重要であると位置づけている。人口減少が進む地域社会において、地域に愛着を持ち課題解決に主体的に取り組む人材の育成が求められており、今後も同プログラムを通じて人を思いやる心や働く喜びを伝え、地域社会への関心を高める取り組みを続けるとしている。