株式会社ダイブと全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部が、宿泊業界の人手不足問題について共同調査を行った。この調査は、2023年5月15日から26日まで行われ、318件の有効回答が得られた。
この調査の背景には、訪日外国人客数の増加と宿泊施設での人手不足の現状がある。特に、訪日外国人客数は2023年4月のJNTOの調査によると、1,817,500人(2019年同月比65.8%)に上り、これは個人旅行再開以降の最高記録である。これに伴い、宿泊施設側での受け入れ態勢の再構築が必要とされている。
政府が地域観光を支援するために開始した「全国旅行支援」による観光需要喚起策の効果については、約9割の宿泊施設が効果を感じているという結果が得られた。具体的には、「とても効果を感じた(61%)」と「やや効果を感じた(26%)」があげられる。
訪日外国人客の予約状況については、76%の宿泊施設が「増加した」と回答。ここには、新型コロナウイルス感染症の影響で減少していた航空経路の増便・復便が要因とされている。また、訪日外国人客で最も多い国・地域は「台湾(23.6%)」、「韓国(15.0%)」、「香港(14.2%)」とアジア圏が上位に来ている。
一方で、人手不足に関しては、「はい」と回答した施設が87%に達し、人手不足を感じている宿泊施設が多いことがわかった。特に外国人の採用については、「採用した」と回答した施設が46%であり、半数近くが外国人採用を行っていないという結果となった。
最後に、特定技能については、「日本人の応募が少なく、人材確保のために採用したい(28%)」が最も多く、不足している労働力を補う目的で活用を考えている宿泊施設が多いことが明らかになった。それでもなお、「そもそも良くわからない」と回答した宿泊施設も14%となっており、外国人労働者の受け入れ方法についての理解がまだ進んでいない側面もあると言える。
(出典:株式会社ダイブ)