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災害時の避難と新型コロナ対策に必要な「分散避難」|3密回避でリスク軽減

台風10号の接近で各避難所で定員超えが相次いだ。各自治体は災害と新型コロナウイルス対策のため「分散避難」を呼びかけている。

感染症対策にホテルや親戚・知人宅へ分散して避難

分散避難は避難所での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、さまざまな避難先に分散して避難することだ。

台風10号の接近時に、九州各地で避難所に避難する地域住民は多くいたが、定員超えとなる避難所が相次いだ。避難所でも消毒や換気、「3密回避」といった新型コロナウイルス感染対策のため、各自治体は避難者同士の距離を保つ必要があることから、収容人数を減らす対応を取ったことが大きな原因だ。避難所の収容人数が減ったことから、定員超えとなる避難所が相次ぎ、別の避難所に移動せざるを得なくなった地域住民も。

また台風10号接近の際、九州では避難所だけでなく、満室となるホテルも続出する事態となった。3密を警戒してホテルに避難する地域住民が多くいたためだ。そのため避難できる場所がある人は、避難所や宿泊施設以外に避難することが望ましい。

このような事態を避けるために、各自治体は新型コロナウイルス感染拡大下の災害避難として、さまざまな避難先に分散して避難することを呼びかけている。

避難所・宿泊施設以外でまず挙げられるのが、安全な場所に住んでいる「親や親戚、友人の家」。また河川付近や低い土地、斜面などの危険な場所以外で、マンションなどの頑丈な建物に住んでいる人は避難の必要性がないため、自宅にとどまる「在宅避難」。そういった避難場所がない人は「安全な場所での車中泊」も選択肢として挙げられる。これらに加え、「ホテルなどの宿泊施設」にも分散して避難することで、避難所での感染症拡大のリスクは軽減できる。

また分散避難にスマホやAIを使って支援するシステムを導入する自治体も出てきている。東京多摩市では避難所の混雑状況をスマートフォンの地図で確認できるシステムを作成し、運用を始めている。また川崎市では避難所の入り口などに設置したカメラの映像からAIが避難者の人数や避難者同士の距離を分析、避難所の混雑状況や新型コロナウイルスの感染リスクを判定する。

新型コロナウイルス感染拡大が続く限り、災害時の避難にはこれまでと違った対応・対策が求められる。その中で分散避難は感染リスク軽減に効果がある対策だ。避難所への避難が必要な方のためにも、宿泊施設や知人宅など、別の避難場所も一度検討しておくべきだろう。

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