2月2日、熱海で最も老舗とされる創業1806年の温泉宿「古屋旅館」を経営する合資会社古屋旅館が、スイーツ事業に進出したと発表した。進出にあたり、スイーツ事業の運営会社「株式会社モデストスマイル」を昨年10月6日に設立しており、第1号店としてことし3月に和栗スイーツのカフェ、「和栗菓子 kiito -生糸-」を熱海銀座商店街に開業する。京都の名店「和栗専門 紗織」との共同プロジェクトだ。
熱海に訪れる宿泊客は、年間315万人。温泉街として人気を誇る熱海だが、スイーツ専門店やカフェは意外と少ないと感じた人も多いのではないだろうか。株式会社モデストスマイルは、ゲストの多様なニーズに応えたいという気持ちで新会社を創業したという。古屋旅館はこれまで、「家業ではなく企業を経営する」というポリシーに基づき、新型コロナウイルス感染症対策技術を業界でいち早く導入したり、スタッフの移住を促進するための新タイプの女子寮を建設したりと、様々な経営改革に継続的に、かつスピーディーに取り組んできた。
古谷旅館で培ってきたおもてなしやその経験を生かし、熱海の「街としての魅力」をさらに引き上げていくために、付加価値の高いスイーツと居心地良い空間を提供していきたいと意気込む。
カフェで提供されるモンブラン、「和栗菓子 kiito -生糸-」は、厳選された高品質な宮崎産や熊本産などの純国産和栗を100%使用する。低糖度のモンブランを細さ1mmの錦糸状に、購入者の目の前で絞って提供する。このモンブランの開発にあたって、京都で行列が絶えない人気店「和栗専門 紗織」が細部に至るまで開発をサポートした。そのしぼりたてモンブランを購入するための1日の整理券は、開店前に配布終了してしまうほどの人気だという。
古谷旅館ならではの魅力が詰まった、熱海では少ない、大人が時間を過ごすカフェの開業が楽しみだ。