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「An ESG Practice認証」:持続可能な観光を推進する31施設を認証


(出典:サクラクオリティ公式

国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みが評価される「An ESG Practice認証」が宿泊施設において進展を見せている。観光品質認証協会によると、4月末までに全国31のホテルや旅館がこの認証を獲得し、環境への配慮として脱炭素やごみ削減などの努力が評価された。審査を希望する宿泊施設は約200あり、今後は2千施設程度の認証取得を目指している。サクラクオリティ認証施設一覧はこちらから確認できる。

An ESG Practice認証は、企業がSDGsを目指す日々の取り組みを評価するもので、森林伐採や環境温暖化が新たなウイルス脅威につながる可能性を考慮し、自然環境保全及び生物多様性の尊重が喫緊の課題とされる。この認証は、2022年にアメリカのGSTC(Global Sustainable Tourism Council)から、国際的に持続可能な観光事業者としての基準に準拠したものとして認定された。

上高地帝国ホテル(長野)は水力発電由来の電力購入などでCO2排出量の実質ゼロを達成し、札幌プリンスホテルはプラスチック製ストローを廃止し、消毒した排水をトイレで再利用しているなど、具体的な取り組みが行われている。これらの宿泊施設は、「安全で安心、誠実(サクラクオリティ)」であり、且つ「国際的に求められるSDGsの取り組みを実践する施設(An ESG Practice)」として認証される。

認証基準は、172項目で構成され、環境関連項目が約68%、事業性関連項目が約22%、社会性関連項目が約10%を占める。感染症拡散防止対策に関する「必須項目」を60項目設ける一方、取り組むことが望まれる項目及び高度な取り組みと評価される項目も加点項目として設けられている。認証の段階は、「永遠の愛」を意味し希少な緑の桜である「御衣黄ザクラ」を象徴として、1御衣黄から5御衣黄までの5段階となっている。これにより、観光市場に対する情報提供の精度が高まるとともに、宿泊施設にとっては長期的な視野で高度な取り組みが目指せるようになる。

新型コロナウイルス感染症パンデミックのような危機が、森林伐採や環境温暖化といった環境問題とウイルス脅威の関係を再認識させる契機となった。これらの事象は、SDGsやESGの取り組みが単なる企業の社会的責任ではなく、人類全体の喫緊の課題であることを改めて示している。人類が持続可能な未来を迎えるためには、私たち一人ひとりの行動と、企業の取り組みが重要である。それを評価し、推進する「An ESG Practice認証」の普及は、その一助となることだろう。

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