Airbnbは、大和ハウス工業株式会社と、多様化するライフスタイルや滞在ニーズへの対応、そして地域社会と共に持続可能な価値を創出することを目的とした包括連携協定を締結し、第一号の共同プロジェクトとして「(仮称)台東区寿三丁目計画」の着工を発表した。
Airbnbは、世界最大級の宿泊予約プラットフォームとして、これまでに世界中で多様な滞在体験を提供してきた。日本国内では「暮らすように旅する」ことを理念に掲げ、地域資源を活かした持続可能なコミュニティの形成に取り組んでいる。一方、大和ハウス工業は「人・街・暮らしの価値共創グループ」として社会インフラの価値創出や生活文化の創造を推進しており、ホテル事業においてもグループ全体で国内外の開発・運営を展開している。今回の連携は、両社の強みを活かして新たなインフラ・サービスとなれる事業の創出を志向するものである。
包括連携協定のもとで両社が取り組む主なテーマは三つに分類される。まず、新しい滞在体験ニーズに応える宿泊施設の創出として、インバウンド需要の回復を視野に、長期滞在やグループ利用、地域独自の体験を提供する宿泊施設の在り方を検討していく。次に、変化するライフスタイルに応じたインフラ・サービスの創出として、多拠点生活や一時利用、ワーケーションなどに対応する住空間やサービスの可能性を探る。これに伴い、自治体や地域企業との連携を通じて制度や地域特性を踏まえた環境整備も推進する。さらに、地域資源の活用と地域社会の活性化に向けた検討として、遊休不動産や文化的資源の新たな活用法を模索し、交流人口の創出と地域の魅力発信に寄与する。
今回着工が発表された第1号施設「(仮称)台東区寿三丁目計画」は、全17室を備え、2026年秋口の開業が予定されている。本施設は、Airbnb Japanが立ち上げたビジネスコミュニティ「Airbnb Partners」を母体とし、旅と暮らしを融合させた新たな滞在スタイルを提案するブランド「Sumu powered by Airbnb Partners」の名のもとで開発が進められている。今後は、東京都心を中心にさらに2物件の開発が予定されている。
Airbnb Partnersは2018年に発足し、現在は185の企業・団体が参画している。多様な業種・団体が連携し、ホームシェアリング市場の成長と、新たなアイディアの実現に向けた活動を展開している。「Sumu」ブランドは、室内の快適性や設備の充実に加え、そこから生まれる体験や地域に波及する豊かさを重視しており、観光と暮らしが調和する未来を体現する宿泊施設として地域に根ざしていくことを目指している。
Airbnb Japanと大和ハウス工業は今後も、地域社会との共生やライフスタイルの多様化といった社会的課題に向き合いながら、価値共創を進めていく方針である。なお、連携協定の締結期間は2025年1月6日から2027年1月5日までとなっている。