2020年、日本未進出だったブランド、アロフトやエディションなどの新規開業が相次いだマリオット・インターナショナル。2021年も引き続きアジア太平洋地域での開業を加速する見込みで、ことしは100軒近くのホテルがオープンする予定だ。
新型コロナウイルス感染症の国際的な拡大により、国家間のみならず、国内の移動も制限されるなどして観光、ビジネスに多大な影響が出た2020年。年が明けて約一月が経とうとしているが、先行きは不透明だ。そのようななか、新規開業を加速させるホテルチェーンもある。アジア太平洋でのポートフォリオ拡大を計画する、マリオット インターナショナルもその一つだ。
同社はアジア太平洋地域でのホテル開業800件目の節目を迎えた2020年には、アジア太平洋地域で75物件をオープンさせた。地域全体で週に1件以上の開業となる。2020年だけでも27,000室近くの客室が地域の開発パイプラインに追加されたほか、4,200ユニット近くを擁するマリオット最大のブランドレジデンスプロジェクトの契約を締結した。2021年にはアジア太平洋地域で100のホテルをオープンする予定だという。
マリオット・インターナショナルのグループ プレジデント、クレイグ・S・スミス氏は、「パンデミックから生じた課題に迅速に対応しながら成長し続けられたことを誇りに思う」と発言。従業員の現場を回復させる力と前向きな姿勢が続いていること、そしてゲストやオーナー、フランチャイズ加盟店からの信頼が続いていることに感謝しながら、アジア太平洋地域をはじめ、世界各地のゲストの旅行のニーズに応えられる体制を整えていくと述べた。
また同社は、中華圏をこれまで同社の世界的な回復を牽引してきた地域であるとし、2021年春のJWマリオット上海豊仙の開業により、中華圏のホテル400軒目、上海のホテル50軒目を迎えることになると予想。このホテルの開業により、上海はアジア太平洋地域における同社の重要なマイルストーンを達成すると述べた。
コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーとアリババ社の Tmall Luxury 部門との共同レポートによると、中国本土は2025年までに世界最大の個人向けラグジュアリー市場になる見込みで、2020年にはパンデミックにもかかわらず、国内で前年比成長率が上昇したという。マリオット・インターナショナルはこの傾向を活かし、W長沙、セントレジス青島、ザ・リッツ・カールトン・リザーブ九寨溝など、2021年にオープンが予定されているラグジュアリーホテルのポートフォリオを強化していく見込み。
今回のザ・リッツ・カールトン・リザーブのオープンにより、中国はアジア太平洋地域で初めて、マリオット・インターナショナルのラグジュアリー・ブランドをすべて備えた国となる。