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文化財と最新設備が共存する富士屋ホテル:2023年度グッドデザイン賞受賞

(出典:富士屋ホテル

富士屋ホテル株式会社が所有する富士屋ホテルは、2023年10月5日に公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2023年度グッドデザイン賞を受賞した。

グッドデザイン賞は、1957年に「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)として創設され、約60年間にわたり「Gマーク」は「よいデザイン」の指標として日本国内での認知度を高めてきた。これは、日本で唯一の総合的なデザイン推奨制度である。

(出典:富士屋ホテル

富士屋ホテルは、明治、大正、昭和の時代の建築群からなる登録有形文化財として知られる。最近の耐震改修促進法の改正を受け、文化財的価値と安全性の調和が求められている。この背景には、お客様や従業員の安全を最優先とし、同時に日本の代表的なクラシックホテルとしての魅力を失わないよう配慮がなされた。

耐震改修の際、建物の外観や意匠の変更は避けられ、主に内部補強が行われた。特に、戦後に改変されていた本館のロビーは昭和初期の姿に復元され、レストラン・カスケードでは、歴史的な内装を新しいRC構造に移して保存するという試みがなされた。

法的側面から見ると、建築基準法の法適用除外指定を活用することで、新しい建物と既存の文化財建物の結合が可能となった。本館や食堂棟などの木造建築でも、安全性を向上させつつ、その独特の意匠を保持しているのだ。

最新の厨房を持つカスケード・ウイングの新築も実施され、これを歴史的建物群と結びつける形での配置が計画された。これにより、富士屋ホテルは歴史的な建物の価値を尊重しつつ、最先端の設備やサービスを提供できる施設へと生まれ変わった。その結果、訪れるお客様には、歴史と現代が融合した独特の体験が提供されている。

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