
ホテル・旅館など宿泊施設を専門にコンサルティングを行う株式会社宿研は、旅行計画で生成AIを活用した630人を対象に、AIの提案が旅行者の行動に与える影響を検証する調査を実施し、2026年2月に結果を公表した。調査は2026年1月にインターネットで行われ、直近の国内旅行計画でChatGPTやGeminiなどの対話型AIを実際に使用した人を対象としている。既存の検索アルゴリズムに左右されない生成AIが、地方誘客の構造を変える可能性があるのかを検証することが目的である。
AIと対話して旅行計画を立てた630人に対し、AIが提案した場所に実際に行ったかを尋ねたところ、54.6%が「実際に行った」と回答した。さらに30.2%が「行かなかったが候補には入っていた」と答え、合計84.8%がAIの提案を検討対象としていた。AIの提案は参考情報にとどまらず、実際の意思決定プロセスに影響している実態が確認された。
「もしAIを使っていなかったらどうなっていたか」という問いでは、「定番で有名な目的地や宿泊施設を選んでいたと思う」が38.6%で最多となった。「候補が今より少なかったと思う」が27.3%、「結果は変わらなかったと思う」が25.9%で続いた。生成AIの活用により、旅行者の選択肢が広がっていることが示されている。
一方で、宿泊施設は目的地や飲食店、観光スポットに比べ採用率が低い傾向が見られた。AIに宿泊先候補を出してもらった338人のうち、実際に訪問した183人の宿泊施設採用率は47.0%であった。不採用理由の上位は「クチコミが少ない・よくなかった」「公式サイトの情報が少なく不安だった」などであり、「AIの提案に不安」は2.2%にとどまった。AIが入口となっても、その後に確認される情報環境が整っていなければ集客機会は流れる可能性があることが示された。