AIやIoT機器の導入・普及により変貌を遂げるホテル業界の2019年。宿泊業界に特化したITサービスを提供するtriplaのチャットボットを中心としたサービスの特徴や今後の展開などについて、同社代表取締役社長の高橋和久氏とセールスマネージャーの岩田尚史氏にお話を伺った。
AI✖︎オペレーターで労力削減、おもてなしに注力
同社は、2017年1月からホテル事業者の労力を効率化し、おもてなしの本業に専念できるようにすることを目指し、AIチャットボットサービス「triplaチャットボット」を開始した。
現在は300施設において導入され、5言語(日、英、中(簡体・繁体)、韓)に対応。AIに加えて、AIが回答できない質問にはオペレーターが対応することが特徴で、導入施設のメール問い合わせは平均で6割、電話対応は4割削減されたという。
訪日客の増加や国内労働力の不足が導入の背景にはあるものの、外国語だけでなく日本語での対応も行なっているため、インバウンドに限らず国内客対応メインでtriplaチャットボットを活用している施設もあり、主に「タビマエ」から「タビナカ」にいたるFAQ(頻繁にある質問)の削減に役立っている。
triplaチャットボットは現在80%ほどのAI返答率で、二回連続で返答できないとオペレーターに接続し、37名の東京、札幌に所在する多言語を操る多国籍なオペレーターが迅速に対応できるのが同社の最大の強みだ。
また、オペレーターの回答内容はtriplaチャットボットにより機械学習されるほか、施設ごとに固有の問い合わせに対しても、データベース化することでカスタマイズした仕様を提供することも可能となっている。
料金に関しては、初期費用が不要の、従量課金となっており、1施設あたり月額5万円ほどで、1日101-200件の問い合わせに対応する。
ホテルサイト強化で売上向上、OTA手数料も削減
導入施設では自社公式サイトでのホテル予約をtriplaチャットボットが促進することにより、売上の向上やOTA手数料の削減にも役立っているという。
同社セールスマネージャーの岩田尚史氏は語る。
「現在4割の問い合わせが予約に関する質問です。特に外国人の宿泊客にはいろいろなプランを用意しているOTAではなく、ホテルのシンプルなプラン設定が人気です。
triplaチャットボットでは、予約の際に自社公式サイトとOTAでの価格を比較表示することができるため、直接予約の価格の優位性を顧客に示すことにより、公式サイトへの直接予約へと誘導することが可能です。これにより導入施設の売上げの向上、OTA手数料を削減することにもつながります。」
ホテルからレストラン、交通、アクティビティまで一体運用へ
triplaチャットボットの用途は宿泊施設のほかに、レストラン、交通、アクティビティなど観光関連事業者へさらに広がりだした。
ホテルへの問い合わせからtriplaチャットボットが近隣のレストランやアクティビティ、タクシー・レンタカー・電車・飛行機などの交通手段へと送客。さらに、温泉協会、インフルエンサーやSNSとの連携を強めることにより、デスティネーションとなる地域での面での相互送客も可能になるという。
同社代表取締役社長の高橋和久氏に2019年と今後の展開について聞いた。
「チャットボットサービスを開始して2年が経過し、おかげ様で300施設以上に導入いただくまで成長できました。これまでは「問合せ対応」にフォーカスしてきましたが、今後は「予約」にもより一層注力して参ります。新サービスとしてホテル公式サイトに搭載する予約エンジン「triplaホテルブッキング」の提供も始まっており、今まで以上に、施設を利用されるお客様の利便性向上と、ホテル旅館の業務効率化・売上利益面での収益UPに取り組んで参ります。」
同社は2月19日(火)から22日(金)まで東京ビックサイトで開催される、「国際ホテル&レストランショー」に出展(場所:東7ホール、「サービス産業向け次世代技術EXPO」(7-A10))する。
また、同22日(金)にはメトロエンジン社と共催で「急増するホテル供給の真相と競争激化に備えるデータ活用法、自社サイト予約の重要性と最新の集客手段とは」と題する無料セミナーを同展示会が開催される東京ビックサイト近くの東京ベイ有明ワシントンホテルにて10〜12時、30名限定で開催する。
申し込みなど詳細は添付サイトより。[満員御礼につき、募集を終了いたしました。]
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