成田空港が2017年暦年の空港運用状況を発表した。その中で下記7項目が過去最高値を記録した。訪日外国人観光客の増加により、成田空港の利用者数の増加が明らかになっている。
成田空港の利用者数、推移
①航空機発着回数 251,639回(前年比3%増)
②国際線発着回数 197,458回(同3%増)
③国内線発着回数 54,181回(同5%増)
④航空旅客数 40,687,040人(同4%増)
⑤国際線外国人旅客数 15,514,180人(同11%増)
⑥国内線旅客数 7,540,249人(同8%増)
⑦航空貨物量 805,976t(同5%増)
7項目の中では、⑤国際線外国人旅客数の増加が+11%と突出。訪日外国人観光客の増加は、同数字からも把握することができる。訪日外国人観光客数が2800万人を超え順調に増加の中、航空各社による航空路線の拡充や、ビザの緩和がなされて、4年連続で開港以来の最高値を更新することになっている。
②の国際線発着回数は+3%と小幅な伸びであるが、エアソウルの新規乗り入れ、日本航空によるメルボルン線・コナ線の新規就航などに加え、韓国・香港・中国をはじめとするアジア地域からの新規就航や増便を背景に、3年連続で開港以来の最高値を更新している。
国際線発着の増加が、ストレートに国際線外国人旅客数の増加に繋がっていると言える。
国内線の旅客数も増加
発表資料では、国内線旅客数も+8%と増加が明らかになっている。国内線は羽田空港、国際線は成田空港との完全な住み分けは崩れているものの、東京から離れている地理的要因から成田空港の国内線旅客数は少ない状況にある。しかしながらバニラエアによる関空線・函館線、ジェットスター・ジャパンの宮崎線の新規就航や増便を背景に、国内線の旅客者数も増加。
成田空港を経由して関西空港や地方都市へ足を伸ばす、訪日外国人観光客数も着実に増加していると見られる。JALが訪日客向けに、各地域の誘客に向けたプロモーションを開始するなど、地方への外国人観光客呼び込みに向けた施策も開始されており、今後も成田空港経由の国内線旅客数の増加は継続すると考えられる。
また国内の景気回復を背景に、航空貨物量も+5%の増加。成田空港は訪日外国人観光客のみならず、貨物量も増加し多忙な状況になっている。
政府による訪日外国人観光客増の政策もあり、2020年の東京オリンピックに向け今後も訪日客の増加は継続すると予想されている。また訪日客の増加による経済の好循環が、地方へも波及していく姿が、成田空港の状況から垣間見ることができる。
成田空港の各数字の伸びが今後どの程度となるのか、引き続き注目したい。