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新たな時代の旅行動向:JTBが2024年の市場見通しを分析

JTBは2024年の旅行市場に関する見通しをまとめた。この見通しは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が大きかった2021年、2022年には国内旅行のみを推計していたが、2023年より海外旅行や訪日外国人旅行についても発表を再開した。調査は、日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人旅行について、経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループのアンケート調査などから推計している。

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(出典:JTB

2023年末までの新型コロナの状況と旅行の動向を見ると、WHOは2023年5月に緊急事態宣言の終了を発表し、経済活動は新型コロナ前の状態にほぼ戻っている。ただし、物価高や高金利の影響が続いている。旅行に関しては、出入国制限が概ね撤廃され、海外旅行が再び可能になったが、国際情勢の不安定さや物価高騰が懸念材料となっている。日本では、2023年4月に水際対策が終了し、5月には新型コロナの法的位置づけが季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行した。これにより、旅行に関する制約はなくなり、インバウンドの回復と相まって全国的な賑わいが戻ってきている。

経済環境については、円安・ドル高傾向が加速し、輸入品価格の高騰が家計に影響を与えている。消費者物価指数を見ると、生鮮食品や洋服などが上昇傾向にある。国内旅行については、2023年の宿泊者数は新型コロナ前と同程度まで回復している。海外旅行については、制度上は行きやすくなったが、経済的要因や情勢不安の影響で回復は遅れている。訪日旅行については、日本の水際対策終了や新型コロナ対策の終了・緩和により、回復の勢いが増している。

(出典:JTB

2024年の旅行市場では、カレンダーに基づく国内外のイベントや新幹線延伸、新たな商業施設の開業などが計画されている。国内旅行者数は減少が予想されるが、平均消費額は高値傾向が続くと見られる。海外旅行者数の回復は緩やかで、一人当たりの消費額は前年を上回る見込みだ。訪日外国人客数は、円安や比較的安い物価の影響で急速に回復している。

また、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した旅行・観光事業者や地域の取り組みが進んでおり、オーバーツーリズム対策も推進されている。このような動向から、旅行市場は新型コロナの影響から徐々に回復していくが、経済状況や国際情勢の変化により、今後の動きが注目される。

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