共通ポイントサービス「Ponta」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティング(以下、「LM」)は、10歳から60歳までの国内在住者を対象に「観光における二重価格に関する調査」を行った。この調査は、TOKYO FMのラジオ番組「馬渕・渡辺の#ビジトピ」と共同で実施され、2024年2月1日から5日にかけて行われ、有効回答数は1,200名であった。
調査の結果、国内の観光業界における二重価格設定に対して全体の約6割が「賛成」と回答している。この二重価格とは、外国人観光客向けに商品やサービスの価格を現地居住者より高く設定することを指す。しかし、60代では反対意見が約半数にのぼり、世代間での意見の相違が明らかになった。10代と20代では二重価格設定により旅行意向が高まるとする回答が約半数に達しており、若年層にはポジティブな影響を与える可能性があることが示されている。
二重価格制度の認知度に関しては、全回答者の42.2%が「知っている」または「聞いたことがある」と回答しているが、依然として多くの人がこの概念に馴染みがない状態である。二重価格が設定された場合の旅行意向についての質問では、10代と20代で「高まる」と答えた割合が高く、この制度が若年層の旅行意欲を刺激する可能性があることが確認された。一方、訪日客への潜在的な影響に関する懸念は過半数に及び、「多言語対応」や「丁寧なおもてなし」などのサービス向上が求められる声が挙がっている。
「馬渕・渡辺の#ビジトピ」のパーソナリティである消費経済アナリストの渡辺広明氏は、日本経済の現状と物価高の課題を踏まえ、二重価格設定が賃金上昇を後押しする可能性があると述べている。また、二重価格に対する顧客の受け入れを容易にするためには、外食業界で見られるような顧客にメリットを提供する工夫が必要だと指摘している。
この調査は、国内観光業界における二重価格設定の導入が若年層の旅行意向にプラスの影響をもたらす可能性を示すとともに、訪日外国人観光客に対する配慮やサービスの質向上の必要性を浮き彫りにしている。