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訪日外国人旅行消費動向から見るホテル事業者へのチャンス

訪日外国人旅行消費動向調査によると、2023年1-3月期の訪日外国人旅行消費額は1兆146億円で、2019年同期比で11.9%減となっている。しかし、このデータにはある意味で、ホテル事業者にとって大きなチャンスが潜んでいると言えるのだ。

まず、国籍・地域別の消費額を見てみると、韓国、台湾、中国、香港が上位を占めており、それぞれの構成比は19.7%、15.1%、10.5%、10.4%である。これらの国・地域からの観光客に対して、よりターゲットを絞ったサービスやプランを提供することで、集客力を高めることができる。

(出典:観光庁

 

また、費目別の消費額では、宿泊費が34.1%と最も多く、次いで買物代(23.8%)、飲食費(22.9%)と続く。特に、宿泊費の構成比が2019年同期と比べて増加していることから、ホテル事業者は宿泊プランの充実や魅力的なサービスを提供することで、消費者のニーズに応えることが求められる。

(出典:観光庁

 

さらに、一般客1人当たりの旅行支出は21万2千円であり、国籍・地域別では中国、オーストラリア、フランスの順で高い。このことから、これらの国の観光客に対して、より高級感のあるサービスや特別なプランを提案することで、付加価値の高い消費を促すことができるだろう。

(出典:観光庁

 

コロナの水際対策が緩和される中で、訪日観光客は徐々に戻りつつある。2025年の大阪万博や2026年の愛知・名古屋アジア競技大会を控えており、今後さらなる増加が見込まれる。名古屋市内のホテルは、伝統芸能や商店街を巡るツアーなどを打ち出すことで、消費を喚起している。これを参考に、各地で独自の魅力を活かした取り組みを展開することが、事業拡大のカギとなるだろう。

また、最先端技術を活用してサービス向上を図ることも重要である。ホテルの一部では、最新の言語通訳サービスを導入している。例えば京王プレリアホテル札幌が最近導入した「KOTOBAL」という通訳サービスでは、AI機械通訳とオペレーターによるハイブリッド通訳で、最大31カ国の言語に対応した外国語通訳や音声筆談をタブレット1台で実現する。さらに、透明ディスプレイと連携し、会話をリアルタイムに文字に変換し、ディスプレイ上に表示することが可能である。このような技術を活用することで、多様な言語を話す訪日外国人観光客に対し、円滑なコミュニケーションを図り、サービスの質を向上させることができる。これにより、リピーターや口コミによる新規顧客の獲得にもつながるだろう。

つまり、訪日外国人旅行消費動向を分析し、ターゲットとなる国・地域や費目に着目した戦略を立てることはインバウンド獲得にとって重要である。さらに、各地の魅力を活かした取り組みや最先端技術の活用によって、競争力を高め、訪日外国人観光客からの支持を獲得できるのではないだろうか。今こそ、インバウンド獲得のための施策を考え実行に移すチャンスかもしれない。

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