株式会社Halal Naviは、日本に関心を持つムスリム向けに、食事、旅行、生活、施設、および意識に関する広範囲なアンケート調査を実施した。2024年2月4日から7日にかけて行われたこの調査は、1,581件の有効な回答を集め、日本でのムスリム観光客のニーズと期待について貴重な洞察を提供している。
日本政府が2030年までに訪日外国人旅行者数6,000万人を目標に掲げる中、ムスリム観光客の急増するニーズに焦点を当てた。グローバル・ムスリムトラベル・インデックス(GMTI)において、日本はOIC非加盟国ランキングで6位にランクインし、ムスリムフレンドリーな国としてのポテンシャルを持ちながらも、多くの課題を抱えている。
調査結果によると、日本での食事に関する最大の心配事は、レストランや飲食店でのハラルフードの提供の有無であり、回答者の86.1%がこの点を挙げた。また、スーパーや食料品店でハラルフードが入手できるかどうかについても77.9%が懸念を示している。ハラル認証の信頼性、価格の高さも重要な懸念事項として挙げられている。
日本国内でハラル料理を食べる際、特に人気があるのはハラルに対応しているラーメン、お寿司、すき焼き、うどん、天ぷらであり、これらの料理に対する高い関心が示された。訪れたい、または訪れたいと思っている具体的な飲食店には、一蘭、HALAL 麺亭 成田屋、スシロー、くら寿司などが含まれる。
レジャー・場所に関する質問では、自然公園・観光地、レストラン・カフェ、文化施設が訪れたい場所の上位にランクイン。具体的には京都、東京、奈良、鎌倉の寺院や神社、富士山、上高地、沖縄のビーチなどが挙げられた。
情報収集の方法としては、SNS、検索サービス、ハラル関連のコンテンツが主に利用されており、日本国内での礼拝所やお祈りができる場所を見つける際の難しさを83.6%の人が感じていることが明らかになった。回答者は、より多くの礼拝スペースの設置、案内の充実、アクセスの改善などを求めている。
この調査結果は、日本がムスリム観光客を迎え入れるうえでの重要な洞察を提供し、改善すべき点を浮き彫りにしている。食事の提供からレジャー施設のアクセス、情報収集の手段に至るまで、ムスリムフレンドリーな環境を整備することが、訪日ムスリム観光客の満足度を高める鍵となるであろう。