箱根町は首都圏から約1時間で行ける人気の観光地で、年間約2000万人が訪れる。歴史的な名所、美しい自然、そして温泉リゾートが有名である。しかし、近年、観光需要の回復とインバウンド需要の増加に伴い、特に休祭日には交通渋滞や公共交通の混雑、飲食店での行列などが問題となっている。
これを解決するため、箱根DMOはデジタル技術を活用した「箱根町観光デジタルマップ」を導入する。このデジタルマップは、交通や店舗の混雑状況を可視化し、利用者がスムーズに周遊できるよう支援する。機能としては、店舗や施設の混雑状況の発信、予約、おすすめ周遊ルートの案内、混雑に応じたクーポン配布、ガイドツアーの案内と予約などがあり、旅行前と旅行中の情報提供を目指す。
この事業では、株式会社日立システムズ、ランドブレイン株式会社と共に「箱根温泉DX推進コンソーシアム」を結成し、多くの地域内外の連携機関と共同で取り組む。この取り組みは、政府の「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」にも掲載されており、目標は、観光客を空いている時間帯や場所に誘導し、分散させることで、観光客の受け入れと地域住民の生活の質を両立させることにある。
「箱根観光デジタルマップ」の主な機能は、交通機関や飲食店の混雑情報の可視化、おすすめの周遊ルートの案内、デジタルクーポンの配布などである。これにより、訪れる観光客は最適な時期やルートを選択し、快適な旅行を楽しめるようになる。また、このマップは多言語に対応しており、より多くの観光客が利用できるようになっている。
この「箱根町観光デジタルマップ」は、令和5年11月6日にプレリリースされ、12月11日に全機能がリリースされる予定である。このデジタルマップは、ブラウザ版で利用可能で、ユーザーはマップを自由にタップして情報を得ることができる。さらに、箱根DMOは「旅マエ目的の増加」や「周遊性向上」を目指し、定期的にコンテンツをアップデートする計画である。