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8月後半の国内消費指数、コロナ感染者急増で「旅行」の回復が足踏み

株式会社ジェーシービー(以下 JCB)と株式会社ナウキャスト(以下 ナウキャスト)が15日、国内の消費動向を捉えた国内消費指数:JCB消費NOW の8月後半、8月速報値を更新した。旅行宿泊は7月以降緩やかな回復傾向であったが、8月後半は下落幅を拡大した。

8月後半は小売総合サービス総合ともに下落し、全総合も回復の足踏みがつづいた。7月後半から8月前半にかけて新型コロナウイルスの新規感染者数が急増し、小売総合、サービス総合ともに低調が続き、全総合は8月前半に続き下落傾向となった。依然、消費の回復はまだ勢い付いていないようだ。その他の分野では、外食は悪化傾向が続き、急回復していた娯楽は4カ月ぶりに悪化に転じた。

旅行宿泊について見てみよう。観光庁が発表した宿泊旅行統計調査の第1次速報によると、7月の宿泊者数は前年比で56・4%減少するなど、自粛ムードが強かった7月に比べると、Go Toトラベルキャンペーンが開始された7月後半から、旅行や宿泊は緩やかな回復傾向にあったようだ。しかし新型コロナウイルスの新規感染者数が7月後半から8月前半にかけて急増したこともあり、8月後半は下落幅を拡大、消費の回復は足踏み状態となっている。

一方で、赤羽一嘉国土交通相は15日の閣議後の記者会見で Go To トラベルの東京を目的地とする旅行や都民の旅行に関する商品の販売を9月18日正午から始めると語るなど、Go To トラベルの盛り上がりは今後さらに活発化すると見込まれる。

また、居酒屋を含む外食も悪化傾向であるが、こちらもGo Toイートキャンペーンでの消費拡大が今後期待される。緊急事態宣言が解除されて以降、急回復していた娯楽も遊園地やゴルフ場が大きく下落したことで、4月後半以降、4カ月ぶりに下落に転じた。

その他の分野では、外出を伴う居酒屋とは対照的に、酒屋はコロナ前に比べてプラスの状態が続いている。新型コロナ感染症対策として、店ではなく自宅で飲むアルコール飲料の需要が増えているようだ。また、家飲みは男性よりも女性で増加傾向が強い可能性があるとされた。

また 、新規感染者数急増後Eコマースやコンテンツ配信の消費人数が増加し、デジタル消費は高い伸び率を維持している。ECやコンテンツ配信は、どちらもコロナ禍前に比べると20%以上の強い伸びが続いている。感染拡大の懸念の高まりを受け、消費者がデジタル消費を高めている傾向がうかがえる。

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