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根室市のホテル宿泊事情〜北海道のホテル事情⑦

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北海道の命名から150年目。節目を迎えた北海道における、地域・都市ごとのホテル事情に迫ってゆきたい。連載第7回は北海道本島最東端のまち、根室市のホテル宿泊事情について、観光宿泊需要と宿泊施設供給の観点から分析レポートする。

根室市、北海道東端の漁港「朝日にいちばん近い街」

出典:根室市

根室市は北海道根室総合振興局の所在地であり、東西に細長く太平洋に突き出た根室半島の全域を市域とする、人口は約2万6千人の都市である。

半島の東端である納沙布岬周辺は暗礁が多く、また濃霧が発生する事も多いため航海上の難所となっており、納沙布岬灯台が設置されている。北西岸には根室港、南東岸には歯舞・花咲・落石の各港と、それぞれ重要な漁港が存在し、水産資源に恵まれ漁業で発展してきた街である。国内有数の水揚げを誇るサンマや、港の名を冠したハナサキガニなどの名産も多い。ちなみに、根室漁協組合長を務める大坂鉄夫氏は、プロテニス選手の大坂なおみ氏の祖父である。

観光需要は微増、道内客は増加、道外客は減少

根室市の観光入込客数の推移を示したのが以下の表である。

出典:北海道

 根室市の観光客数は2008年度の約41.7万人より2011年度には約31.9万人と24%減少したものの、2017年度は約39.7万人まで回復した。10年で約5%減である。道内客は10年で約10%増加しているが、道外客は約16%減少している。

宿泊延数は落ち込むも回復、訪日客比率は低水準

以下の表は根室市の延べ宿泊数の推移である。

出典:北海道

根室市の延べ宿泊数は2008年度の約7.7万泊より順調に増加を続け、2017年度には約10万泊に達した。10年で30%増である。

訪日客は2008年度の約2.3千泊から2017年度は約2.9千泊と、絶対数は小さいものの26%増である。構成比は3.0%前後で大きくは変わっていない。

宿泊供給は10年でほぼ変わらず

メトロエンジンリサーチによると、根室市内には2019年3月時点で28の宿泊施設が展開しており、部屋数にして497室が提供されている。2007年5月時点では27施設492室であり、ほぼ変わっていない。

根室市全体の宿泊需要は増加し、10年で約30%増ではあるが、供給がほぼ変わっていないことから、市内の宿泊施設の業績にとっては、好ましい環境が続いていると考えられる。

訪日客を含む道外客の増加が課題

宿泊需要が順調に拡大する根室市ではあるが、道外客の減少が気になるところである。去る3月16日に実施されたJR北海道のダイヤ改正により、全国屈指の「秘境駅」としてファンの間で有名であった、根室本線(花咲線)初田牛駅が廃止となった。市内の宿泊施設にとってさらなる宿泊増のためには、訪日客を含む道外客の増加が課題であると言えそうだが、観光資源の減少が大きく影を落としている。

出典:花咲線

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