宿泊施設向けのレベニューマネジメントツール「メトロエンジン」を提供するメトロエンジン株式会社が、2023年8月度の全国主要観光地のホテルの平均価格(2名料金)を公表した。調査によると、中国からの団体旅行の再開や夏休みシーズンの到来を受け、日本の観光・宿泊市場は、コロナ流行以来の大きな盛り上がりを見せていることが明らかとなった。
観光庁の発表した宿泊者統計によれば、2023年7月の延べ宿泊者数は2019年と比べて2.0%増加している。また、日本政府観光局(JNTO)の発表では、2023年8月の訪日外客数は2019年の8割を越えており、インバウンドの需要回復が明らかである。
調査は、2023年8月度のシティホテル・リゾートホテル・デラックスホテルの2名利用プランについて、全国10エリアを対象に行われた。メトロエンジンが公開したデータを詳しく見ると、主要観光地において、2023年8月のホテルの平均宿泊料金は、軽井沢が最も高く、次いで箱根という結果となっている。
2019年と2023年の8月度の宿泊価格の推移を見ると、ほとんどのエリアで上昇が見られる中、特に京都・東京23区の価格上昇は著しい。2023年8月のホテル価格は2019年比で京都で約1.9倍、東京23区で約1.8倍にまで上昇、2名で70,000円近くまで上昇が見られる。これはこれらの地域の観光の注目度が非常に高いためと考えられる。
価格情報は、宿泊施設において今後の戦略を考える際の大きな参考となるだろう。例えば、特に価格上昇が著しい地域においては、サービスの質や施設の設備向上など、高価格帯での競争力を高めることが求められる。また、大阪万博のように今後の大きなイベントが予定されている地域では、そのイベントを見据えたプロモーションや施設の改装を行うことで、さらなる集客や売上向上を狙うことが重要だ。
詳しい調査結果についてはこちらから確認できる。
※一部、内容を修正しております(最終更新:2023/10/23)