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「日本全国ホテル数ランキング」でみる都市部と地方で異なるホテル事情 

日本で宿泊施設が多い市区町村といえば、東京や大阪などの大都市圏を思い浮かべる方も多いのではないだろうか?

ホテル調査ツールのメトロエンジンリサーチを活用して日本のホテル事情を調べてみると、都市部と地方で異なるホテル事情が見えてきた。

 

日本で、宿泊施設の数が多いエリアとは?

メトロエンジンリサーチ、宿泊施設がもっとも多い地区町村を調査(表1)した結果、1位は長野県白馬村の584、次いで2位は京都府下京区の442、3位は静岡県伊東市の439施設となることが明らかになった。

東京や大阪などの都心部のほうが多くの宿泊施設が存在するように思われがちだが、客室数ではなく施設数でみると実はそうでもない。

これら3都市に共通するのは観光地として多くの人が訪れる場所であるという点だ。1位の白馬村には、日本で最大級のスキー場である八方尾根スキー場をはじめ、多くのスキー場があることから多くの宿泊施設があるようだ。同様に2位の下京区には京都駅があり、京都観光に訪れる人が多く観光客向けのホテルが多いものと考えられる。そして3位の伊東市には伊東温泉がある

このようにホテルの数が多い場所=観光地という傾向は4位以下を見ても同じで、4位 京都府東山区、5位 神奈川県箱根町、6位 京都府中京区、7位 栃木県那須町、8位 岐阜県高山市、9位 岐阜県富士河口湖町、10位 沖縄県那覇市と日本の中でも有名な観光地や避暑地などが上位を占める。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

客室総数では大都市圏が上位にランクイン

一方、メトロエンジンリサーチか客室数でランキング化(表2)すると、宿泊施設の数とは大きく事情が異なってくる。客室数でのランキングの場合、1位は東京都港区26,990部屋、2位は大阪府中央区23,949部屋、3位は東京都中央区20,765部屋と大都市がトップ3を占めているのだ。

施設数でみると、東京都港区は148、大阪府中央区は251、東京都中央区は138といずれも非常に少ないことがわかる。

つまり、観光地の宿泊施設の傾向としては地方の観光地では客室数の少ない施設数が多い一方で、大都市圏の宿泊施設では1施設あたりの客室数が非常に多いといえるだろう。

実際、日本全国の宿泊施設の中で最大の客室数を有するホテルである品川プリンスホテルは1施設のみで約3,600室の客室を持つ。この数は、長野県白馬村にあるすべての客室数の6,600室の約半数に匹敵する規模で都市部の客室数がいかに多いかがわかる。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

東京のホテル1施設あたりの客室数とは?

東京都港区の1施設あたりの客室数は平均182室、大阪市中央区で平均95室である一方で、長野県白馬村の1施設あたりの客室数は、わずか11室、京都市下京区は27室のみ。

東京はビジネスホテルやシティホテルを中心に客室数の多いホテルが多いことから1施設当たりの客室数は多い。

大都市エリアでは、2020年の東京オリンピックそして訪日外国人の急増を背景に大規模の新規ホテル開発計画が着実に進行。2019年にはAPAホテルが横浜に2,311室、2020年には大田区に1,704室の大規模ホテルの開業が予定される。都市部における1施設あたりの客室数は今後さらに増えることになりそうだ。

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