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自社予約比率アップを実現- インバウンド比率80%のホテルが取り組んだこと

緊急事態宣言が解除されてもなお、稼働率の低下に苦しむ宿泊施設は多い。そのような中でも、コロナ禍においてシステムや管理ツールの改善、長期滞在客の獲得など新しい集客の取り組みを行い、稼働率を向上させている宿泊施設も増加している。今回、予約エンジン領域における集客施策の状況を探るべくホテルバンク編集部が独自にインタビューを行った。

今回、話を伺ったのは西新宿に位置する「THE KNOT TOKYO Shinjuku」。前身の老舗ホテルから、日本でもまだ新しい「ライフスタイルホテル」としてリブランドし、2018年8月にオープンした。宿泊特化型ホテルにもラグジュアリーホテルにも属さず、日本のホテルマーケットにおける新領域の創出というビジョンのもと運営される同施設は、新型コロナウイルスの流行前は80%がインバウンド需要による海外の宿泊客で占めていた。


顧客層・beforeコロナにおける販売はどのようなスタイルでしたか?

前身は、教育旅行などの団体や旅行代理店を経由した予約が大半を占める大型の宿泊施設でした。リブランドを行い「ライフスタイルホテル」として運営することで、顧客層が大きく変わりました。ライフスタイルホテルというものがまだ日本には馴染みがなく、当時はコロナ前でインバウンドを意識して作られていたこともあり、顧客層は海外からの顧客が約80%でした。そのため、予約もOTAもしくは公式HPで受けており、現在も同様にOTAと公式HPで集客・販売を行なっています。

withコロナでの課題は何ですか?

やはり一番は稼働率ですね。元々、インバウンドのお客様が非常に多かったこともあり、国内マーケットでの認知度アップ、インバウンド依存からの脱却が目下の課題です。

「インバウンドのシェアが多い=OTAの予約比率が高い」ということでもあります。そのため、自社の予約比率を増やしていく必要がある、という事業課題が見えてきました。また、OTAを活用することによって、レートパリティが不均等という問題にも悩まされており、そこを改善する方法も課題としておりました。

それには、どのような取組みが必要と感じられましたか?

これらの課題を解決するには、ユーザーにとってOTAよりも予約しやすい予約エンジンの導入に加えて、認知度をあげるマーケティング活動が必要になります。

とはいえ、自社でシステム開発をすることはハードルが高いですし、予約サイトをリニューアルするとなると非常にパワーもコストもかかります。マーケティングにいたっては知見・ノウハウ、またはそういったプロフェッショナル人材の確保まで必要となります。

宿泊客がスムーズに予約ができ、集客・マーケティングにつながる良い方法はないか?コストを抑えて導入できる予約システムやサービスはないか?と考えていたところ、メトロエンジン社の営業担当の方から「メトロブッキング」という予約エンジンを活用したGoogleホテル広告の活用の提案を受けました。

そのサービスはどのようなものですか?

メトロエンジン社の予約エンジン「メトロブッキング」を利用し、「Googleホテル広告」に掲載をする、というサービスです。私どものホテルでは、このメトロブッキング に 「Book on Google」というオプションサービスも利用しています。

メトロブッキングは、Googleを介して集客支援もできる予約エンジンです。Googleを利用して検索しない人がいるのか?というくらいGoogle検索自体が世の中に浸透していると思います。

他の予約エンジンでもGoogle掲載ができるところもありますが、メトロエンジン社は広告運用を行っていたり、Googleを活用するノウハウがある、という点が魅力です。

ちなみに、メトロブッキングは公式HPに組込み予約エンジンとしても利用できますが、現在私どものホテルでは、Googleに掲載するための専用エンジンとして利用しています。既存の予約エンジンと並行して利用できるので、導入のハードルも低かったです。


予約エンジンのデザインは非常にシンプル。モバイルユーザーを意識した機能で、初めて予約する人でもわかりやすい。予約エンジン自体は無料で利用できる。(※一部条件あり) 
集客を強めたい場合は有料のGoogle広告も掲載ができ、従量課金で料金も明確。有料広告を掲載すると、効果的な運用を行うためのサポート・ノウハウの提供も受けられる。

Googleホテル広告はGoogleマップやホテル検索にも連動しているので、ネット上でホテルを探すユーザーを取り込むことができる。新しい顧客獲得のチャネルとして有効だ。現在、一部の広告スペースに無料で掲載することができる。 


Book on Googleは新しいサービスですね。導入の決め手は?

予約エンジンとしてだけではなく、Googleからの集客、動線も意識して導入決めました。そのため、オプションである「Book on Google」がないと意味がない、そのような認識です。日本では、現在メトロエンジン社のみが提供しているようです。

Book on GoogleのようにGoogle上からリダイレクト(画面の遷移)がなく予約が入ってくる仕組みは直予約を獲得するにあたって重要なものとして考えています。ネット予約では、リダイレクトや、入力項目の多さなどが原因となり、途中で手続きをやめてしまうユーザーが多く、ここが問題となります。

この仕組みを自社で作ることは非常に難しく、いかに離脱を防ぎ他の予約サイトではなく、直予約に繋げるかという課題を感じており、このような仕組みがほしかったので、躊躇なく導入を決めました。

現在、Book on Googleは無料で利用できるキャンペーンが実施されているので、試しやすいのではないかと思います。


顧客はGoogle上での予約を体験ができるだけではなく、他のサイトにリダイレクト(遷移)しないため、予約途中での離脱を防止できる。アカウントがあれば個人情報やカード情報の入力も不要なので、入力も少なく簡単に予約が完了する。ホテルの選択から決済までがシームレスになる。

新しいコンセプトを取り入れてリブランドされたり、新しいサービスを導入されていますが、積極的・チャレンジングなカルチャーがあったりするのでしょうか?

リニューアルに伴い、勤務するスタッフは前身のホテル時代から若返ったという訳ではなく、年齢層も実は高めです。そのため、新しいことを積極的に取り組む・試すという文化や、攻めの姿勢がある社風が元々あるという訳ではなく、 現在のマーケットや当ホテルの課題を考えて、本当に必要な機能だと感じたため導入を決めました。

実際にGoogleホテル広告やBook on Googleを導入してからの効果は?

堅調に予約比率が上がっています。コロナ禍の状況もありますので、爆発的に予約が増える、ということはありませんが、徐々に予約数のシェアを増やしており、月単位で倍成長しています。ちなみに、自社予約のうち、電話や公式HPの予約の比率は変わっていませんので、自社予約が純増しているということになります。

今後の展望を教えてください

現在は国内マーケットの認知度向上が課題ですが、アフターコロナでは外国人が戻ってくると考えています。その際には、ネット検索で「新宿+ホテル」で検索をし、その流れから他の予約サイトではなく、公式サイトに直予約で入っていてもらう、ということを期待しています。

コロナ以前はOTA経由で予約してきてくれている方々が、次回戻ってくる時に公式サイトやBook on Googleを経由して、予約していただければ、理想的ですね。

【取材協力】
THE KNOT TOKYO Shinjuku
東京都新宿区西新宿4-31-1
https://hotel-the-knot.jp/tokyoshinjuku/
 
【サービスについてのお問合せ先】
メトロエンジン株式会社 
営業部  sales@metroengines.jp
https://info.metroengines.jp/
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