京都でホテルやゲストハウスを運営する株式会社レアル(京都市)は、3月25日付で京都地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことが明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大によってインバウンド(訪日外国人)の需要が消失し、経営が行き詰まったことが原因。
2013年に設立の同社は、京都市内を中心に町家を取得し、居住用やゲストハウス・ホテル用に改築。それらを投資家などに販売、また、販売したゲストハウスやホテルの運営を受託していた。好調なインバウンド需要を受けて京町家タイプの「鈴」、ホテルタイプの「Rinn」など、78施設を運営するまでに事業を拡大し、19年9月期には過去最高の売上高50億円を計上した。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による外国人観光客の消失や、緊急事態宣言の発出による旅行需要の落ち込みで業績が大幅に悪化。20年9月期の売上高は39億円、約7億円の最終赤字を計上し、約5億円の債務超過に転落した。施設の休業や金融機関からの融資、賃料の支払い猶予など資金繰りの改善に奔走したが、年末以降の感染「第3波」や緊急事態宣言の再発令も響き、自力での再建を断念した。
負債総額は約18億2800万円の見通し。帝国データバンク京都支店によると、新型コロナ関連の企業倒産(負債総額1千万円以上)は京都府内においては16件目で、負債総額は最大という。ホテルやゲストハウスの営業は基本的に継続し、同社は再建に向けて6月ごろまでにスポンサー企業を選定するとしている。
京町家旅館「鈴」: https://rinn-kyomachi.com