札幌市の秋元克広市長は10日の臨時記者会見にて、2021年1月、2月に予定されていた「さっぽろ雪まつり」の会場を設置しての開催を中止する考えを示した。
オンライン開催などの代替案検討も指示
秋元市長は会見で「さっぽろ雪まつり」について、「規模を縮小させたとしても、会場を誘客をするという開催は難しいのではないか」と語り、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、例年通りのさっぽろ雪まつりの開催を事実上中止する考えを示した。
また札幌市や札幌観光協会で構成される「さっぽろ雪まつり実行委員会」に対し、オンライン開催などの代替案を検討するように伝えたとのこと。来週中には開催のあり方について最終決定される見通しを示した。秋元市長は「70回以上続く札幌の風物詩であり、雪まつりのともし火を消さないことが重要だ。過去の雪像の映像を流すなど、オンラインでPRすることも考えられるのではないか」と語っている。
さっぽろ雪まつりは例年、国内柄200万人以上の観客が来場する北海道内最大規模のイベント。札幌市の発表によると2017年度の経済波及効果の推計は650億円だった。だが2020年のさっぽろ雪まつり後に北海道内の感染者数が増え、「北海道における感染拡大の第一波の引き金となったのではないか」という専門家の指摘も出ていた。実行委は6月に感染防止のため、2021年は大雪像の政策を中止し、中小雪像を中心とする規模縮小の方針を発表していたが、道内・市内の感染拡大の状況を受け、中止の見通しとなった。
現在、北海道では札幌市を中心に新型コロナウイルス新規感染者が増加している。札幌市では連日陽性者数が100人を超えており、高止まりの状況だ。鈴木直道北海道知事は10日16時から開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて、12月11日までとしていた「集中対策期間」を2021年1月15日まで約1ヶ月延長することを決定。札幌市内に出されていた「不要不急の外出自粛」「札幌市全域での接待を伴う飲食店の休業要請」「ススキノ地区での酒類提供の時短要請」も12月25日まで延長されている。また医療機関などで大規模なクラスターが相次いでいる旭川市に対しても12月25日までの不要不急の外出自粛を要請することとなった。