各保険会社が、従来の保険にコロナ感染発生時の補償を加えた商品を販売している。
一日に多くの人が訪れるホテルや旅館は、常に宿泊者への配慮が求められる。
特に昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、安全への意識がより高まっているといえる。
しかし、いくら気を配っていてもトラブルのリスクを消すことはできない。利用客や従業員から陽性者が発生し、休業にせまられれば、大規模な損失を受けることになる。
そのような不安にこたえるべく、各保険会社からは、宿泊事業者に向けて感染発生時の補償を加えた保険が出されている。
損害保険ジャパン会社では、コロナの影響を考慮し、従来の旅館賠償責任保険に改定を加えた。
新型コロナウイルス感染症による旅館賠償責任保険のご案内(PDF)
補償の内容は、新型コロナウイルスに汚染された疑いがある場合に、消毒費用や休業による損失に対して一律20万円の保険金を支払うというもの。
追加の保険料などはないが、保険金を受け取るためには食中毒休業補償保険に加入している必要がある。
また、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社でも、旅館・ホテルや飲食業者向けにコロナ感染時の補償を盛り込んだ総合商品を販売している。
新型コロナウイルス感染症に関する利益補償を拡大した旅館・ホテル、食品業界向け総合パッケージ商品の発売
感染防止対策を徹底することは重要だが、それでも防ぎきれないのが感染症の厄介な点だ。
上記で紹介したような保険に加入していれば、感染で休業したり従業員の欠員が出た際に負う経済的損失を、わずかでも減らすことができる。
また、消毒対策の資金が出るため、保健所の指導に迅速に従うことも可能だ。営業再開後も顧客へ安全性をアピールでき、ひいては感染で悪化したイメージの回復につながるだろう。